生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信945 ・本気で「脱原発」なら、菅でもいい

2011-07-10 07:28:09 | 日記

 おはようございます。「福島第一原発の廃炉には数十年かかる」という工程表素案が明らかになりました。東電と政府が検討している案です。廃炉までには膨大な資金をつぎ込まなければならず、賠償金も巨額にのぼります。すべて私たちにつけ回しされます。電力料金も上がります。それでも「原発は安い」という数字は今も変えていません。
 生き生き箕面通信945(110710)をお届けします。

 ・本気で「脱原発」なら、菅でもいい

 「菅降ろし」の勢力に「原発推進」グループが加わって、「脱原発」の先行きが怪しくなってきました。「菅辞めろ」「菅降ろせ」と政局に目を向けさせる朝日や読売、NHKなどの大手メディア。政局に目を向けさせられている陰で、肝心の「本当に脱原発に踏み切るにはどうすればよいのか」という議論は二の次になっています。

 これは、原発推進グループにとっては好ましい状況です。脱原発への既成事実が積み重ねられさえしていなければ、「原発推進」への巻き返しが容易だからです。

 明日で、フクシマから4か月。この間の経緯を「脱原発」に的をしぼって振り返ってみると、「脱原発の空気」は非常に高まりました。経済活動のためには原発も容認せざるを得ないが、できれば原発以外のエネルギーでやれるものならその方が望ましいという考え方の人を含めると、おそらく9割近い「脱原発の空気」が醸成されているのではないでしょうか。

 また、浜岡原発をなにはともあれ停止され、玄海原発の運転再開も先延ばしになりました。「再生エネルギー法案」も国会に上程されています。

 しかし、東電は株主総会をやらせで乗り切り、あれだけの事故を起こした経営陣も社長だけをトカゲのしっぽにしてほとんど無傷。斑目というデタラメ原子力安全委員長ものうのうと居残っています。関心事は、いつ事故は収束できるのか、住民はいつ戻れるのか、被災地の復旧・復興はどう進められるのか、といういわば目の前の現象にばかり集中しています。

 昨晩のNHK・徹底討論番組「どうする原発」は3時間近くをかけて幅広く議論がされましたが、「日本には原子力が不可欠」とする議論が堂々と展開されていました。

 原発事故が起きてから4か月が経ちました。少し落ち着いて考える時期になりました。そこで改めて振り返ってみると、結局、「原発」勢力は温存され、生き延びたという現実に気づきます。

 ドイツでは、フクシマが起きてからあっという間にメルケル政権が「脱原発」にカジを切ることを世界に明らかにし、鮮やかに方向転換しました。

 事故を起こした日本では、相変わらず停止原発を再稼働しなければ、電力不足が深刻になるという電力業界からのキャンペーンにおたおたしている実態があります。

 もし、菅直人なる人間が、「脱原発・再生エネルギーへの転換」に本気で取り組むなら、やらせてみる価値は十分にありそうです。むしろ”バカぢから”を活用しなければ突破できないほど厚い壁かもしれません。いや、白い猫でも黒い猫でもネズミを取る猫はいい猫です。必要なのは、いま脱原発へ既成事実を積み重ねることです。時を失するなら、後悔することになりかねません。