生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信956 ・「節電ファッショ」は原発維持の口実

2011-07-21 06:34:49 | 日記

おはようございます。現在の発電能力で、電力不足になることは絶対にありません。ただ、電力業界が「停電もどき」を演出するだけです。
生き生き箕面通信956(110721)をお届けします。

・「節電ファッショ」は原発維持の口実

 「節電、節電」と電力業界と政府が大合唱しています。それを新聞やテレビがほとんど無批判にたれ流し、増幅しています。戦時中の「灯火管制」にそっくり。「節電しないヤツは非国民」扱いになりかねない。まさに「節電ファッショ」の様相を帯びてきました。その裏には、原発を動かさないと大変なことになるぞ、という脅しが隠されています。

 おかしなことに「なぜ節電が不可欠なのか」という確たる根拠は一向に示されません。例えば本日新聞各紙が伝えている「政府の関西電力への10%節電要請」は、経産省によると、「関電の供給余力に、安定供給のために最低限必要な3%を上乗せしたもの」という極めて大雑把な説明に終始しています。

 火力や水力に加えた現在稼働中の原発の発電容量がどれだけあり、実際に見込まれる需要電力はどれだけなのか。まず正確な予測数字を公表し、これに対して他電力会社からの融通電力や民間自家発電からの買電がどれだけ見込まれるのか、あるいは未利用の火力や水力の発電能力がどのくらいあるのか、それを動かせば実際にはどうなるのか、そんな当たり前の数字、当たり前の情報をまったく明らかにしません。

 ただ、「大飯原発を止めたままだと大変だ、大変だ」と騒ぐだけです。つまり、原発を稼働させなければ「電力不足だよ。停電だよ。大変だよ」と、印象付けようとしています。

 それを新聞は、朝日も読売も、NHKもほとんど無批判に「大本営発表」よろしく、そのまま伝える情けなさ。原発事故以来すでに4か月以上経ちました。電力事情については、十分に取材し、調査する時間はありました。だから、ジャーナリズムは「政府や電力会社はこう言っているが、実はこうなんだ」という記事を書くべきなのです。

 もっともそういう記事を掲載すると、経産省や電事連(あるいは関電など)の広報部門がチェックしており、「モンスター・ペアレンツ」ならぬ、もっときついその後の取材拒否などの”報復”に出てくることが想定されます。

 いやむしろ、編集の”上の方”が、政府や電力業界の意向を忖度して、厳しい記事は掲載されない。つまり、読者本意ではなく、権力側にすり寄り新聞を作っているのです。だから、そんな紙面を作っているだけでは、いずれ読まれなくなるでしょう。

 新聞やテレビは、社会にとって必要です。しかし、権力側の広報紙になり下がれば有害です。現在のメディア状況は、今後5年間のうちに様変わりしてしまうのではないでしょうか。

 それはともかく、「原発ムラの反攻」にメディアはよく立ち向かってほしいものです。「原発即時廃止」を打ち出す気迫がなければ、敵は強力です。もうずるずると押し戻されつつあります。「菅降ろし」のベクトルが、事態を見えにくくしています。気がつくと、オセロの白がいつの間にか黒にされているかもしれません。