水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1016」

2016-08-26 20:10:23 | Weblog



カルテ番号 よ・6(26)

百合は涙が流れている事に気づいた。
あまりに自然に流れていたので、分からなかったのだ。
変わらなくては、人並みにならなくては、と思い込んでいた。
その思いは、とても苦しかった。
変わろうとしても変われない。
人並みが出来ないから苦しい。
その思いが溶けていく。

このままが自分。
ただ、強く着こんでいただけ。
別な自分になどならなくていい。
いいや、なろうとすれば苦しさが増すだけ。
でも、どうしたら脱げるのだろうか?
着る事ばかり考え、してきたから脱ぎ方がわからない。

「先生、どうしたら脱げるのですか?
私、着方は自分でできたけど、脱ぎ方はわからないのです」
院長は笑顔で言った。
「モノを持つ、得る事の方が大変なのですよ。
服や鎧も同じ。
着る方が難しいでしょ。
脱ぐのは、簡単なのです。
力を抜く事、それで自然に脱げてしまいます。

そうですね・・・
力いっぱい何かを握っている状態。
握るには力と根性が必要です。
でも、離すのは簡単でしょ。
手を開けばいいだけですから。
何かを探して、拾って、離すまいとする方が大変なのです。
吉永さんは、その大変な事を小さい頃からしてきたのでしょう。
それだけで、充分心が強い人なのですよ。
でも、もう、楽になってもいいでしょう」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
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