カルテ番号 よ・6(5)
百合は最初こそ早く職場に帰りたい、と思っていた。
早く手を治し、不安な心も出なくしたい、と思っていた。
ところが、日が経つにつれ、もう少しこの地域にいたくなった。
親戚や親の気持ちもわかる。
ただ温泉に入るだけの暮らしは贅沢だとも思う。
それなのに、復帰するのが遅くなってもいい、と考えるようになった。
この地域には温泉が幾つもある。
その中で百合が気に入った日帰り施設がある。
山の中腹にあり、地元の限られた人がほとんどだった。
もともと湯治場だったから、遠くから来る人もいる。
観光客もいるが、周りに何もない山の中腹なので、いつも空いていた。
ゆっくり、のんびり、出たり入ったりして、百合には楽だった。
こんな幸せな時間があるなんて、申しわけないような気になった。
それでも、早く治したいとは思わなくなった。
ある日、百合よりも若い女性と一緒になった。
百合よりも若いだろう。
キリッとした美人で、スタイルもいい。
人見知りする百合が、最初から和んでいた。
そして、その女性から声をかけられた。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)