私自身は全く関係のない存在と信じている天才はいかにして生まれるのか?を大胆に書かれています。個人の資質かと思いきや、意外な要因があることがわかりました。何点か紹介をしましょう。
・世界の一流スポーツ選手に共通する、ある「幸運」とは?
例えば、アメリカやカナダのアイスホッケー選手は1~3月生まれが多い。これは年齢の区切る期日が1月1日のため、身体能力よりも体格がモノを言う。すなわち、「社会やシステムが非常に大きく影響を及ぼしている」結果があらわれています。
・ビートルズやゲイツ、ジョブズが成功した本当の理由は?
「熱心に努力するかどうか」のボーダーラインは1万時間の法則に支配されています。1万時間以上の演奏をしたビートルズ(ドイツ・ハンブルグで演奏していたらしい)や、初期のパソコンに触る好機を得て、1万時間以上のプログラミングをしたゲイツ、ジョブズは成功者への道を歩みました。1万時間の練習を積み上げることのできる時代や環境こそが重要である視点は大切です。
・IQ190“全米一の天才”が大成できなかったのはなぜ?
信じられないかもしれませんが、家庭環境が大きく左右しています。
他の事例は本書に譲りますが、成功者の内部要因よりも外部要因が無視できないことは当然と言えば当然ですが、当たり前だからこそ視点として見抜けない。その意味では、著者のグラッドウェルも天才でしょうね。天才といわれる人はその場に身を置ける幸せを感じなければならないのでしょうね。愚才でも、いまここを精一杯生きるんだから同じですね。
『天才! 成功する人々の法則』(マルコム・グラッドウェル著、講談社、本体価格1,000円)