ミッションスクールの国語科の教師であった著者は、ドイツ人校長に、
「さようなら」の意味を問われ、困惑します。返答できない彼に、校長先生は「こんにちは」にも言及しますが、無しのつぶて。「国語の教師として、日本人の子供たちに、いったい何を教えるつもりなんだ!」と叱り飛ばされる顛末。この1か月後、校長室に呼ばれて、
「日本は明治維新後は、欧米の真似をし、日本人の心をすっかり忘れてしまったんじゃないのかなぁ。(中略)日本人って何ですか?日本人の心って何ですか?」
とヒントになる呼び水をいただき、考え抜きます。
人間は太陽がなければ生きられない事実から、日本における太陽の存在を追求します。すると、
「太陽さんに感謝して、みんなで仲良く太陽のいのちを生きる~これが、日本人の心棒だった。」
という答えに到達しました。日本人も、日本人の心も太陽が形作ったもの。感謝の気持ちに「お蔭様」というのも納得できます。日本という国の根源である精神、文化、伝統の価値を知れば、海外でも堂々と発言できるし、自国の良さを述べることが出来ます。そういう意味では、本書は必読書であると、井戸書店ではロングセラー商品として店頭に切らしたことがありません。10/25(日)に開催する、第4回大人の人間学塾の課題図書として選びました。
『日本のこころの教育』(境野勝悟著、致知出版社、本体価格1,200円)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます