事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

エンド・オブ・ホワイトハウスとホワイトハウス・ダウン

2014-06-13 | 洋画

Whitehousedownolympushasfallenimg01 タイトルもそっくりなら題材もほぼいっしょ。公開日も3か月くらいしか違わない、完璧な競合企画。近ごろはハリウッドもネタ切れだし、むしろ競合したことで話題づくりになると配給会社は考えただろうか。

近年だとアレクサンダー大王の伝記がやはり競合し、先手をとったオリバー・ストーン監督+コリーン・ファレル主演版が大コケしたので、バズ・ラーマン監督+レオナルド・ディカプリオ主演版が製作中止になってしまった例もあるので痛し痒し。

実際に出来が比較されるわけだから、作り手たちにとってはプレッシャーだったろう。SONYの「ホワイト・ハウス・ダウン」は、大作請負監督ローランド・エメリッヒを監督にすえ、大統領にジェイミー・フォックスと露骨にオバマを連想させるキャスティング。

その半分の製作費でつくられた「エンド・オブ・ホワイトハウス」の原題はOlympus Has Fallenで(ほら、ここですでにまぎらわしい)、大統領役は「ダークナイト」でトゥーフェイスを演じたアーロン・エッカート。

どちらの大統領も家庭思いの良きパパ、良き夫。まあ、ここで邪悪な大統領だったりすると(うちの奥さんは、ブッシュだとこのお話は成立しないわね、と吐き捨てていました)違った展開になるのでそれはいい。

問題は敵の存在で、「ダウン」は内部の犯行で、「エンド」は北朝鮮。まあ、どちらもひねってはあるんだけど。大統領官邸が強力な要塞であることは自明なので、敵も一筋縄ではいかない。武器も強力。そこを、どちらもたったひとりのヒーローが形勢を逆転させて……という無茶なお話。

正直にいうと、「エンド」の方がはるかに興奮できました。ヒーロー役のジェラルド・バトラーは、なにしろ「300」の人だから絶望的な戦いには慣れていそう(笑)。

その点、「ダウン」のチャニング・テイタムは、およそテロリストに対峙できる頭脳を持っていそうにない。おまけに彼の娘は、テロリストの動画をYouTubeにアップすることで人気者に……なめてんじゃねーぞ世間を、こわいんだぞテロリストはよ。なんて能天気な親子。唯一よかったのは、娘が“旗を振る”場面ですかね。ちょっとネタバレですが。

まあエメリッヒは、内心ではアメリカが大嫌いな人なので、堂々とホワイトハウスを蹂躙できて満足だったでしょう。なにしろこの人は、これまで「インデペンデンス・デイ」「GODZILLA」「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」などで、ホワイトハウスだけじゃなくエンパイア・ステート・ビル等をぶち壊し、自由の女神を凍らせて……な人だもん。

どちらの映画も、歴代の名大統領の肖像画をうまく使ってあるあたりは、やはり優秀な人はどこにでもいるものだと。

コメント
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