二カ月も映画館に行っていないのに、ネットで興行成績だけはチェックしている。そしたら、前評判もなにも聞いていなかった作品が第1位に。しかも大ヒットなのである。
タイトルは「ラストマイル」。ひょっとしていわゆるキラキラ恋愛ムービーなの?
全然違いました。
製作:新井順子 脚本:野木亜紀子 監督:塚原あゆ子
という女性トリオの作品ではありながら、骨太のアクションミステリーだったのだ。しかもとんでもなく面白いのでした。久しぶりに映画館に行ってよかった。
ラストマイルというのは、顧客に到達する最後の1マイルのことで、この作品では宅配業界の内実が詳細に描かれている。モデルになっているのは、米資本のネットショップだからAmazonと、利用料を値切られて苦しんでいる宅配はきっとクロネコヤマトの確執。
オープニングで描かれるのはネットショップの巨大な倉庫。数百人の職員がいるがほとんどが派遣。正社員はわずか数名にすぎない。そこへ、センター長として満島ひかりが着任する。古株の(といってもわずかに二年)正社員の岡田将生は彼女を冷めた目で見ているが、発送した荷物が顧客のアパートで爆発するという事件が発生して……
演出がキレッキレだし、伏線はりまくりの脚本もすばらしい。
この映画の特徴は、女性トリオがつくったドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と世界観が共通していること。だから石原さとみ、井浦新、窪田正孝、星野源、綾野剛たちが出てきて豪華なことだ。
もちろん、これらのドラマを見ていなくても、ひたすら面白いことに変わりはない。どうやってドラマにからんでくるのかさっぱりわからない安藤玉恵がラストで……な展開もすばらしい。宇野祥平、大倉孝二などの脇役も渋い。
大ヒット納得。んで両ドラマと同じようにテーマソングは米津玄師です。
大倉さん安藤さんサダヲさんが期待通りで嬉しかったですー♬
テーマは重いけど、爆弾だからドキドキハラハラ楽しかった。
ダイハードですもんね。
家電の伏線はおみごとでした。
いいものつくっとくといいことがある。