事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「エリジウム」Elysium (2013 トライスター)

2013-09-27 | 洋画

Elysium01 アパルトヘイトを「宇宙人と地球人」という強引な設定にシンボライズした「第9地区」District 9。ヨハネスブルグ出身のニール・ブロムカンプ監督はこれで一気に名をあげた。

で、彼の新作には、低予算ながらがんばった前作のヒットのおかげでソニー傘下のトライスターがふんだんに製作費を提供。キャストもマット・デイモンとジョディ・フォスターと一流どころだ。さあこれだけめぐまれた環境でブロムカンプは何をやったか。

まったく、寸分たがわず同じことをやってます!

22世紀中葉、地球は人口爆発と大気汚染によって過酷な状況にあった。そのため、富裕層はエリジウムとよばれる宇宙コロニーに移住している。そこには病気も飢えも老化も存在しない。そして、侵入者としての貧困層を徹底的に排除していた……わかりやすっ!

ジョディ・フォスターが、秩序を守るために侵入者をファナティックに排撃する防衛長官役。しどころのない役なのによく受けたなあ。

マット・デイモンは、劣悪な労働環境のために被爆し、5日しか生きられないと宣告され、捨て身の行動に出る。

……つまり今回は、階級闘争を地球VSエリジウムという図式に押しこんだわけだ。抒情的なラストも前作同様。あまりにもわかりやすいために単調なのは否めず、労働者が(どさくさまぎれに)勝利する展開にもあまりカタルシスはない。桃源郷たるべきエリジウムにはまったく魅力ないし(計算?)。

ただし、空に“普通に”浮かぶ戦闘機や、未来なのにやたらに燃費が悪そうな装甲車(ベースはどう見ても日産GT-R)などのガジェットがひたすら魅力的。これも前作同様だ。

勝負作なので興行収入がとても気になる。次作の予算に露骨に影響するでしょうしね。彼の新作は「第10地区」District 10になるだろうことが予定されているんだし。まあ、低予算でも同じようなテイストになるんだとは思いますけど(笑)。

コメント (2)
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