事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2013年9月号~削減スタート。

2013-09-18 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Kazetachinuimg04 2013年8月号~「削減決定」はこちら

さあみなさんが楽しみにしていた給与削減が始まりました。先月号でお伝えし、そして給料袋に同封した県教委教職員室の文書にあるような形になっています。

おや?もう一枚書類が入っていますね。「教職員のみなさまへ」というタイトルの、教育長名で出された文書。これ、よく読んでください。いつもと違ってかなり低姿勢なのは内容から言って仕方のないことですが、労働組合との壮絶なやりとりの末に出たものなので。

その、労働組合に入っている人には先日、知事が発したメッセージが届いていて、内容はほぼいっしょです。こむずかしいことは抜きにして意訳すると

「別におれたちだって給料を下げたくはなかったんだ。でも国が勝手に交付税を減らしたんだから仕方ないだろ。わかってくれよ」

というところでしょうか。

さて、こちらもこういうことで飯を食っているので内容を吟味してみます。

①今回の削減は、退職手当に影響しない
これは交渉の際に副知事が明言しています。それはそうでしょう。年度途中に退職手当を削減することが決定した途端(ふつう、それは早期退職を促したと言います)、他県で駆け込み退職が相次いだ騒動は今年初めのことです。その再現は避けたいところ。もしもこの大幅な削減が退職手当に影響するとすれば、8月31日付退職者が発生していた可能性もあります。

②しかし年金額には影響する
複雑な話だし、個人差が大きいので一概には言えませんが、この部分は注視していく必要があります。ちなみに、給料連動の共済組合・互助会の掛金なども下がっています。

③代替教職員の削減対象除外は見送られた
人手不足がいちじるしい病院の代替職員については除外されたのですが、同じ「有資格職種の代替」なのに学校についてはあっさり削減されてしまいました。教育長名の文書で、わざわざ「たいへん心苦しいところです」と表現されているのはだから必然。

④支給額の逆転が発生した
削減率が給料表の級によって差があることから、下位級の方が支給額が大きくなる現象発生。要するに、乱暴な下げ方なのです。

⑤管理職手当はむしろ増えた
先月まで18%カットでしたから、新たに10%カットに変更になったので結果的に先月より増額されています。管理職手当もなく、教員が4.6%削減なのに7.7%削減されている行政職5級事務職員の痛みもわかってほしいものです。

⑥削減は本当に来年の3月で終わるのか
この削減は、東日本大震災復興のために、来年3月まで給与が削減されている国家公務員に強引に合わせたもの。だから理屈ではどう転んでも終わるはず。でもその答はまだ誰も知りません……

※画像は「風立ちぬ」
「創造的人生の持ち時間は10年だ」
「ぼくたちには時間がない」
自虐的な言辞を挿入しながら、しかし宮崎駿がそのまま引退するはずがないじゃないですか。引退できないほどのカルマにとらわれているのが彼の不幸なのに。「風立ちぬ」は文句なく傑作。これが白鳥の歌になっても、確かにおかしくはないけれど。

2013年10月号~「人事委員会」につづく

コメント
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