事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ダブル・ジョーカー」 柳広司著 角川書店

2009-10-07 | ミステリ

Doublejoker 長く続ければ続けるほどよくなるだろうと想像したとおり、やはり第二作の方がシリーズ一作目「ジョーカー・ゲーム」を上回った。

陸軍の考え方に立脚したもうひとつの組織を対比させることで、D機関の異様さ、魔王結城の異端ぶりが引き立つ。

表題作もいいが、わたしの好みは戦時の慰問団を描いた「蝿の王」。「笑わない客」であるスパイは誰か、死体を使った情報伝達手段とはどんなものか、ミステリ興味はつきない。

もっともっと書いてくれ……とは誰よりも角川書店が思っているだろう。すばらしい作品だ。

殺人と自殺はスパイにとって最悪の選択、とするD機関と「躊躇なく殺せ、潔く死ね」とする風機関とが相容れるはずもなく、D機関の圧勝を描くことで、柳の戦争観もあらわになる。

この作品集のラストで、ついに開戦。スパイであることに違う意味が付与される戦時に、D機関はどう動くのだろう。第三作を待つ。

ってことで第三作「パラダイス・ロスト」につづく

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