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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観るVol.9 「殺人公開放送」

2009-01-06 | テレビ番組

Ishiguroken01 第8話「殺人特急」はこちら

いんちきサイキックである黒田清(ひっくり返すと“清田”になります)の犯罪を古畑がさぐる展開が、山口崇演じる科学者が超能力のトリックを暴いていく過程とシンクロしております。

この科学者はもちろん大槻教授がモデルになっていて、実際に彼はこの回のスタッフに名を連ねている。

キーとなるこの役に山口を起用したあたりは、ファンを自認する三谷幸喜の「天下御免」(NHK)へのオマージュだろう。

さて、超能力はほとんどマジックのトリックを使用していることが教授により明かされる。代表的なのが“リーディング”というやつで……

黒田(石黒賢)に公開放送中に指名された今泉(西村雅彦)は、次々に心の中を読まれてしまう。

「あなたには悩みがありますね?」(←ない人はいない)

「それは人間関係ですね?」(←ほとんどの悩みは人間関係から発する)

「……同僚、部下、上司……上司ですね!」(←上司というフレーズに今泉が反応したにすぎない)

印象として心を読まれた(READ)みたいだけれど、実際には回答に導かれた(LEAD)だけなのである。

今回はミステリとして弱いので、例によって叙情的なラストが用意されている。

古畑:あなたは、心の眼にもサングラスをかけていたんですか?

これはトリックのネタバレなセリフであると同時に、“偶然を自分の能力だと過信してしまう”サイキックたちへの警鐘にもなっている。

第10話「矛盾だらけの死体」につづく

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「カラスの親指」 道尾秀介著 講談社

2009-01-06 | ミステリ

Crowsthumb01シャドウ」のあまりの後味の悪さにめげ、「ラットマン」はその救いのなさに途中で放り投げ、やっぱりホラー出身者は俺には合わない、と結論づけようとしたら、この作品はすいすい読める。

もちろん闇金の追い込みをここまで徹底して描かなければならないのか、という疑問は残る。軽快なコン・ゲームとはお世辞にも言えない。

しかし最後のうっちゃりはみごとな着地ではないかと思う。ただ、これが直木賞候補になったとして、はたしてあの審査員たちがどう評価するだろうか。

特に林真理子の選評に注目(笑)☆☆☆★★

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