第9話「殺人公開放送」(これもすごいタイトル)はこちら。
今回は小堺一機が演じる国会議員秘書、佐古水(さこみず)の犯罪。
90年代中盤から一般に広がり始めた携帯電話を使ったトリック。ミステリにとって携帯は天敵といっていい存在。
だってかなりの古典的(特にアリバイと誘拐犯の現金受け渡し)トリックは携帯さえあれば安易に達成できてしまう。しかし「殺しのファックス」でわかるようにメカ好きである三谷幸喜は、さっそく飛びついたのだろう。
見どころは、佐古水と古畑が終盤にくりひろげる病院内コント。殺したと思っていた政治家が、意識を回復してしまったことで右往左往する小堺と、内心ほくそ笑みながら彼をからかう田村のからみがおかしい。
へろへろになった小堺がひとこと。
「古畑さん、友だち少ないでしょ」
だろうなあ(笑)。
森山周一郎(コジャックの声優ですよ。若い読者にはポルコ・ロッソだろうけど)扮する政治家がまたいいタヌキっぷりなのである。愛人の死体を前に
「佐古水、腹へったなあ。ピザとっていいか?」
「状況考えてください!」
↑ この会話も解決への伏線になっている。また、後継者として佐古水を選ばない理由がいい。
「有能な秘書が、有能な政治家になるとは限らん。」
なるほど、なるほど。
第11話「さよなら、DJ」につづく。
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