事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

寒冷地手当

2009-01-15 | 情宣「さかた」裏版

Jifubuki01 2004年2月24日付「情宣さかた」裏版より。

寒冷地手当に関して、不穏な動きがある。

この手当のことを『薪炭(しんたん)手当』と呼んだ時代を知っている人は、もう少数派になっているだろうか。それどころか、8月10日が支給日だったせいで、夏休みの真っ最中に登校日が設定され、職員会議や校内研修が行われていたことも昔話になりつつある。

※なぜ夏の暑い盛りに寒冷地手当が支給されていたかといえば、値段の安いうちに薪や炭を買っておきなさいという意味だったと聞いている。宿題ちゃんとやってるだろうな、とチェックする日じゃなかったんだなあ。

わたしが知るかぎり、寒冷地手当は削減につぐ削減の連続だった。

前は給料額に連動していて、しかもその乗率や加算額が大きかったのに、やがて率は下がり、そして現在の世帯主区分による定額支給になっている。

おかげで複雑な計算式をともなった経過措置の嵐だったため、この手当は事務職員にとってまことにやっかいな代物だったのである。そして今、定額支給がやっと定着したなあ、と思った途端にこの人事院の全国調査。ちょっと、整理してみよう。

経過は、例によってきわめて政治的。昨年(03年)、当時の塩川財務大臣が国家公務員の寒冷地手当の見直しに言及し、人事院はこれをうけて32都道府県の9000もの事業所に手当の調査を行った。他にも

・北海道と四国、九州の家計比較

アメダスの気象データによる過去30年間の気温・降雪量の調査

までやっている。その結果(集計は途中とコメントしているが)……

・寒冷地手当支給事業所は北海道81%、青森県25%、その他は10%以下。

・気候条件から、仙台以南の海岸部や北陸は支給地域として妥当ではない。

・寒冷生活増嵩費(なんというお役所言葉!)は、勤労者平均2万円。1世帯あたり3万円。

などという結果になっているようだ。そのため、勧告の内容は

「北海道以外は支給地域として維持するのがかなり難しい」

こんな表現になりそうなのである。調査結果からかなりの飛躍があるようだが、みなさんはどう思われるだろう。寒冷地におけるコストには、薪や炭(笑)以外に、スタッドレスタイヤ・住宅の維持・雪囲い・防寒衣料・除雪費……これらのために生活給として受け取っていた手当がまるまる無くなる?

この動きの背景には、地方交付税が削減されている状況と同様に「好きで田舎や寒いところに住んでるんだろ?そこまで面倒はもうみないぞ」という本音が見えかくれする。今回の署名は、この流れ自体への異議申し立ての意味を持っているのだ。ぜひ。

……結果として山形県では庄内地方が支給対象外となった(旧朝日村をのぞく)。「日本のウエストコーストだからなあ」と自虐的になったっけ。

コメント
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