事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「阿修羅城の瞳」('05 松竹)

2008-04-09 | 邦画

Ashurajonohitomi 監督 滝田洋二郎 音楽 菅野よう子

時に文化文政。巨大都市江戸。一見平和に見えるその裏で、人と鬼との激しい戦いが繰り広げられていた。
江戸の闇から魔を祓うために組織された特務機関“鬼御門"。病葉出門は、そこで“鬼殺し"と怖れられる腕利きの魔事師だったが、五年前のある事件を境にそれまでの一切を捨て、今では鶴屋南北一座に弟子入りしていた。
が、謎の女つばきとの出会いが、彼の運命を狂わせた。


なぜか鬼御門に追われるつばきは彼に「自分の過去を探してくれ」と頼む。彼女の瞳の奥に宿る何物かに惹かれていく出門。執拗につばきを追う鬼御門の先頭に、出門と兄弟同様に育った安倍邪空がいた。鬼御門の頭領十三代目安倍晴明を奸計にはめて葬った邪空。が、彼は更なる力を求めて、鬼を率いる美形の妖かし美惨と手を組み、彼らの前に立ちはだかる。鬼の王“阿修羅"の悲しき因果に操られ、千年悲劇の幕が開く。
その先にあるのは、滅びか、救いか───舞台版のストーリーより

宮沢りえ!宮沢りえ!宮沢りえ!

 原作の舞台版で演った富田靖子や天海祐希もそれなりによかったんだろう。でも顔の表情がスクリーンに数十倍にも拡大される映画においては、宮沢りえの起用は必然。なんて美しい女優なんだ。

 原節子、岸恵子、吉永小百合……これがまっとうな美人女優の系譜だとすれば、その裏には“邪悪な”と形容したくなるラインもある。山田五十鈴、京マチ子、細川ちか子……加虐な表情が色香をかもし出す、いわゆる妖女系。

たそがれ清兵衛」「父と暮らせば」で清楚な美しさを感じさせた宮沢は、「阿修羅城の瞳」で真逆の妖女の一面を見せる。ちょっとネタバレになるけれど「(この男を)今、殺せる!」と感じた瞬間の喜悦の微笑みなど、震えがくる。

Tsubaki  宮沢がどれほどの女優になるかは未知数。でも作品の選択は今のところ満点だ。タイプが少し似ている鰐淵晴子レベルにとどまるタマではないことを確信。

 共演の市川染五郎も、こう何というか、性根の腐った感じ(笑)が実にいい。次作「蝉しぐれ」が不安になるくらいケレン味たっぷり。歌舞伎のシーンはさすがだ。
 ムシャクシャする気持ちを払拭するに最適の映画。あー宮沢りえにもっともっといじめられたい!

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「裸の王様」ラブ・サイケデリコ

2008-04-09 | 情宣「さかた」裏版

Delico_photo02   結婚はそれにしてもリスクの大きい制度だと思う。全く違う過去を持った男女が、何らかの誤解をもとに(笑)生活を共にするようになるなんて。

 わたしの妻がウチへ越してきたときなど、お互いの蔵書がほとんどダブっていないことに(つげ義春だけは別)あきれ、そして不安に思ったものだった。ましてや音楽にいたっては、かたやジャズ、こちらはロックしか聴かない夫婦なので、そのやり取りはトンチンカンなものとなる。

「この曲、いいわねえ。誰の?」クルマの中で。
「ラブ・サイケデリコって言ったじゃないか」
「ふーん。どんな人?」
「青学出身だから、サザンの後輩だな。アメリカ人より英語うまいよなー(笑)。で、男の方は……」「え?もう一人いるの?」
「…………ん?あなたもしかして“らぶ・さいけでり子”だと思ってないか?」
そんな、林家パー子じゃあるまいし。                       

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産む・産まない

2008-04-09 | 情宣「さかた」裏版

4988102635114 1.生む生まないの選択を個人の選択に任せるという(知事の)答弁があったが、そんなことではだめだ。妊娠したら必ず出産させるべき
2.3歳まで母親のもとで育たない子どもは非行に走り、社会不安を招く。ジェンダーフリー教育は危険な思想だ。
3.若年世代への性教育はセックス・アニマルをつくる

……この発言は、おいしすぎる失言で勇名をはせた元首相(森喜朗)のものではない。先日の県議会において某議員が発したもの。この人の失言もまた恒例で、今までにも議事録から削除されるなどの事例が伝えられている。しかし、今回は明らかに確信犯だろう。口がすべった、とか議場の雰囲気で、といった次元の問題ではない。彼の政治信条は「日本人として誇りを持てる教育と政治」だそうだ。教育勅語復活を企図した元首相とこんなところにも共通項が。

 それにしても、いったい何だろうこのネオコンもびっくりの能天気さは。“選良”にしてこんな認識とは。

 この人の頭の中では、少子化などという事態は、女性の意識さえ変えてしまえば簡単に解決するとでも考えられているのだろうか。望まない妊娠や、さまざまな理由で子どもといっしょにいることが「できない」女性の存在を、おそらくは意図的に無視しているのだろう。

 言うまでもなく、子どもを産む産まないの選択は個人に帰属し、社会的な“要請”によって強いられるたぐいのものではない(それは「結婚」だって同じことだ)。

285210425  年金の世代間互助の維持や労働力の確保など、少子化によってあらわになっている問題は数多い。直近の問題は、借金が膨大になっている国家・自治体財政を考えたとき、人口の減少はそのまま住民一人あたりの負債額を大きくしてしまい、取りかえしの付かない事態に突き進んで……そこまで某議員が考えているかはともかく。

しかし社会のために多くの子どもを産んでほしいのなら、それは女性だけでなく、男性も含めた意識の変化に対応した施策を政治家が率先して用意し、実現しなければならないはずではないか。

例えば……
・(もちろん男性も含めた)育児休暇制度の整備と取得促進などの保育環境の充実
・女性の職場復帰の支援
・育児のための経済的援助
……等々。この、出産や育児をめぐる環境を充実させるために、どれだけの苦難があったか。次号より特集を開始します。

2003年7月13日発行の「情宣さかた」裏版。
問題の県議とは……まあ言うまい。
“アンチフェミニズム”なのではなく、マッチョな発言に自己陶酔しているだけなんでしょう。このレベルで県議かよ

画像は「カバチタレ!」(’01 フジテレビ)
行政書士のストーリーで常盤貴子を主演にすえ続けるというのはかなりしんどかったろう(原作マンガでは主人公は男)。結婚願望が強く、常に男のことを考えているOL、こんな設定に辟易しているからフジのトレンディドラマって嫌いだったのかも。でもこの作品はかなりひねってあるのでわたし的にはOK。岡崎由紀の名曲「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」をテーマソングにするセンスは買える。エンディングでちょっとしたどんでん返しを常に用意する仕掛けもいい。
山下智久がブレイクする要素がここには全部ある。いじられキャラ?☆☆☆★★

加えて専業主婦だってつらい「エデンより彼方へ」も載せておこう。幸せな(と同時に典型的なと言われている)家庭ってなんだと。

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