事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

教職員名簿 ファイル1

2008-04-16 | 受験・学校

Miikejpg 「教諭の夫が女子生徒にいたずら」と振り込め詐欺

「教諭の夫が女子生徒にいたずらをした」と妻にうその電話をかけ、報道機関への告発を防ぐ示談金名目で現金をだまし取る「振り込め詐欺」が、長崎県内で2件起きたことが14日、分かった。

 同県警捜査二課によると、同県西彼杵郡内の主婦に2月下旬、夫の同僚教諭を装った男から「夫が女子生徒にいたずらをした。表ざたにならないよう、500万円を振り込め」と電話があった。主婦は100万円を振り込んだ。

 3月下旬には北松浦郡内の主婦に「(被害に遭った)女子生徒の親が報道関係者だ。500万円を払えば取りざたされない」と電話があった。この主婦は、全額を指定口座に振り込み、その一部が首都圏で引き出された。
 県警は、教職員名簿を使った同一犯とみて捜査している。
ZAKZAK 2005/04/14

……あるんだ、長崎にも教職員名簿って。違うか。
山形の学校に勤めている読者以外には説明が必要かも。わたしが今回とりあげる通称『教職員名簿』というのは、山形教育用品という教材の業者が毎年発行しているもので、かなり立派な装丁。正式名称は『山形県教育関係者名簿』。1冊5,000円もする。載っている内容は県内の各学校や教育委員会の住所、電話番号、メルアド、学級数、児童生徒数、そして学校事務職員が旅費請求のときに使う「旅費基準地」というマニアックなものまで。長崎のそれとは指すものが違うのかもしれない。東京などはなんと都教組が作成したりしている。

Kanntokutyudoku高価とはいっても、これはものすごく便利な存在なのである。公費で購入していない学校は県内に一つもないと断言できるし(反証は次号)、個人で購入する人もかなりいる。わたしも支部長時代は買ってました。載っている情報が過去のものになっても、一種の年鑑として機能するのでコストパフォーマンスは高い。

しかし問題になっているのは、この名簿には職員の住所まで掲載されていることなのだ。

ファイル2につづく。画像は三池崇史の「監督中毒」天才の仕事の秘密(その量についても)がここにある。

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「オトナ語の謎」糸井重里監修 新潮文庫

2008-04-16 | 社会・経済

Otonagononazo 「はい、M小学校・事務のホリでございます。」これでもか、というぐらいビジネスっぽくわたしは電話に出る。

「あ、あ、あのぉ。K大の……飛島で……」まもなく行われる学年宿泊体験でボランティアをしてくれるK大生だろう。“社会人としての電話のかけ方”がまだまだである。もしもどこかの会社からこんな電話が来たら、不快とか怒るより先に、不安が先に立つだろう。この会社大丈夫なのかな、と。

 しかしよくよく考えてみると、いつの間にわたしたちは電話のマナーを身につけ、日々実践するようになったのだろう。「いつもお世話になっ」てもいない相手に、平気で「いつもお世話になっております」なんてことを条件反射的に口にしたり、一日付を“いっぴづけ”と読むようになったのは何でだ?

「オトナ語の謎」は、おなじみのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(略して“ほぼ日”)」で人気を誇った同名のコーナーを書籍化したもの。心にもないことをお互いに平気で言える社会人・会社人という存在の不思議さを探ろうという糸井重里のコンセプトを超え、卒業間近の学生たちが本気で辞書がわりに使用している。わたしにしたって理解不能なことばはいくつもあった。たとえば「まえかぶ・あとかぶ」「リスケ・オンスケ」……

 しかしこのオトナ語、要するに隠語として仲間意識を醸成するか、あるいは逆に身内以外を排除する機能をもっている。と同時に、きつい世間を渡る過程で、できるだけ互いの神経を痛めないためのツールでもあるのだろう。どうとでもとれるニュアンスに過大な力点を置いているわけで、日本および日本人の偉大なる(半分は皮肉)発明品と形容できなくはない……と弊社では考えているところでございます。兄弟本「言いまつがい」との併読はマストと手前どもはプレさせていただきます!

今現在
今は現在に決まってるだろう!という冷静な突っ込みをよそに、全国のオフィスや現場でくり返されている不思議な日本語。
いちばんベスト
オトナ語に文法を求めてはダメだ!意味を求めるより、感じるんだ!
基本オーケー
そういうふうに言われた場合、オーケーではないということである。
……本文より

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「死の味(上・下)」A TASTE FOR DEATH

2008-04-16 | ミステリ

Atastefordeath01 P.D.ジェイムズ著 ハヤカワミステリ文庫

 イギリス人の考えるリタイア後の理想の生活とは、昼は庭園のバラの手入れをし、夜はスコッチを飲みながらミステリを読むことらしい。これは日本人には無理だ。広い庭などめったに存在しないし、アルコール分解酵素を持たない人が多い民族だから、ウイスキーなんか飲んだら犯人を推理するどころではない。

 P.D.ジェイムズがつくりだした名探偵ダルグリッシュ警視をご存知だろうか。日本の場合、彼が活躍するシリーズからスピンオフした女探偵コーデリア・グレイ(「女には向かない職業」)の方が有名だけれど、齢八十を超したこのミステリの女王(しかし先代であるクリスティのことは、作中で「一緒にしないでよ」とばかりに皮肉っている)の本領は、間違いなく静謐なダルグリッシュの方にある。最高作は文句なくこの「死の味」。ミステリは、本場の英米では二流扱いらしいが、しかしこの作品の人間描写はすごい。こんなタイプの人間は、きっとこう考え、そしてこうやって犯罪に陥ってしまう……読者を否応なしに納得させるその手管には恐れ入る。

こんな話をむかしALTとしていたら、いきなり「おーほっほっほ。わたしはストラドフォードの書店でアルバイトをしていたとき、サイン会に来た彼女に会ったことがあるのよーっ!」と思いっきり自慢された。くそ。これだからわたしはイギリス人が嫌いだというのだ。                  

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