今回はこの1枚。大昔のCD。2000年のネタなので古いです!
……でも今でも全然ドナルド・フェイゲンは変わってないのでそのままアップします。
前にも書いたけれど、私はもう音楽のリスナーとして現役ではない。特に洋楽はプリンスまでであり、以後、つまりラップやグランジが主流になってからの新譜は殆ど聴いていない。それにはまぁ、CDへの移行に乗り遅れたとか結婚や子育てで音楽どころじゃねぇや、とか様々な要因はあるものの(子どもが寝ているそばでヘッドフォンでロックを聴く根性はさすがになかった)、要するに歳をとったということだろう。生活にどうしてもハードなロックが必要だった時期は明らかに過ぎ去った。
今年買った洋楽のCDはわずか3枚。新しいのはベス・オートンぐらいで、ジョニ・ミッチェルのベスト、そしてスティーリー・ダンのおよそ20年振り(ぐらいは経つんじゃないだろうか)のオリジナルアルバム「トゥー・アゲインスト・ネイチャー」……呆れる程のなつメロ状態。演歌の花道か俺は。
そのスティーリー・ダンのむかぁしのアルバム「ガウチョ」は、おそらく就職して以降最も数多く聴いたアルバムで、それはとにかく
・ 世界最高のスタジオミュージシャンをバックに
・ 世界最高のスタジオを長期間借りきり
・ 世界最高の音質を保障するためにミックスにやたら時間をかけた
というめちゃめちゃコストの高い、効率のわるぅいアルバムだから少しでもモトを取ってやろう……と思って何度も聴いたわけではないのだけれど、ひたすら気持ちのいい一枚なのである。
その当時から半分隠居したようなバンドだったが、久しぶりのアルバムを恐る恐る聴いてみて私は呆れかえった。んもう全っ然変わっていないのである。爺くさいのは昔からだとしても、若いモンにはまだ負けんという意地とか、トレンドに影響を受けたとかいう節すら窺えないのだ。まったく自然に反した二人組(Two Against Nature)である。この訳は正しいか知らんけど。
アーティストの方がこうなら、リスナーの方が進歩がなくても、これは仕方のないことだよなあ。