事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

OL進化論

2007-08-14 | アニメ・コミック・ゲーム

Akizuki02 偏見かもしれないけれど、4コマまんがは、まずめったなことでは笑えない。コンビニや書店の4コマまんが雑誌のコーナーをのぞいてみるがいい。微温的で、いかにもほのぼのやってます、別に大笑いしてくれなくていいです、ちょっとクスッとでもしてくれれば、というような志の低ぅい漫画のオンパレードだ。

特に、名を挙げて失礼だが植田まさし(読売に毎朝載ってるアレね)系のちゃっかりサラリーマンものなど、「てめー世間をなめんじゃねーぞ!」とイラついてくる。椎名誠たちがフジ三太郎を蛇蠍のごとく嫌っていた気持ちに近いかもしれない。だったら読むなよ俺も。

この、日本独自の表現形式をそれでも革命的に変えた作家はいる。いうまでもなくいしいひさいちいがらしみきおだ。

いしいの「がんばれ!!タブチくん!!」(双葉社)の何が凄かったといって“別に悪口を言われる筋合いのものではない人(法政のプリンス田淵、管理野球広岡、頭脳派ピッチング安田、今ならナベツネ←こいつだけは悪く言わなきゃ)”を徹底的にこきおろすことで、あれだけの笑いがとれることを証明して見せたこと。いがらしの「ぼのぼの」(竹書房)の第一作は『ぼくのお遊び』のタイトルで、上流から流れてきたラッコが杭にぶつかって方向転換する、たったそれだけのことをオチにしていて、これはショックだった。極めつけは「BUGがでる」の灰皿VS灰皿の睨み合い……ってギャグの説明はうまくできないからやめておこう。

Tas03460  この偉大な二人の延長線上に西原理恵子(「まあじゃんほうろうき」)や喜国雅彦(「傷だらけの天使たち」)がいるわけなので、このラインがこれからは主流になってくれなくては。ぬるいサラリーマン漫画なんかじゃなくて。

 え?じゃあなんで秋月りすなのか、というと……えーと、それは私もぬるいサラリーマンだから(笑)。でもこのマンガ、バブルの絶頂期あたりから始まったのだが、秋月の(この福岡県出身漫画家にOL経験はない)会社、という組織への視線のクールさはちょっと比類がない。

 設定はある大会社の総務二課。おっちょこちょいのジュンとお人よしの美奈子、団塊丸出しの課長、ほぼこのレギュラーが語る最大の哲学は『こんな楽しい会社はどこにもない』だ。あんなに絵柄がかわいいのに、さめたタッチで描かれるほのぼのギャグの連発は、むしろこの会社のユートピア(どこにもない場所)性をあらわにする。多くのOLが、ため息をつきながら読む姿が目に浮かぶようだ。

Akizuki  それにしても、普通のOLって、普通の会社員って、会社で一体どんな仕事をしているんだろう。秋月もいまひとつ分かっていないようだけれど、公立小中学校事務職員にも、ちょっと想像つかないなぁ。ま、向こうもこっちが何をしてるかは全然分からないんだろうけれど。

 共同実施がはじまると、事務職員にも一種の上司と部下の関係が発生するかもしれない。でもあの総務二課みたいには、きっとならないだろうなあ。とにかくみんな、ひたすら癖が強いから…(嘆息)。

コメント (2)
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