マクドナルド物語⑪

　前葉繰越。 自分でもまだ整理できていないが、マックでの経験のことを、私は事務職員の仕事というものにすぐになぞらえる癖がついている。

　前にも書いたように、メンテの場合、その仕事は完璧に一人で行うもので、事務職員の仕事に大層良く似ている。それは確かだ。キッチン組のようにマネージャーの視線をいつも感じている必要はないし、ある意味、私向きではあった。

　だが逆に、そのために徹底したマニュアル化が図られもし、チェックマンの存在も考えれば完全に自由だったわけでもない。これも、直接にコミットするものでもないはずの（まあ、この考え方が甘いと言われればそれまでだが）管理職や教育委員会、教育事務所を常に意識していなければならない現状に似ていると言えなくもない。

　そして何よりも、客へのサービスよりも、マニュアルに寄りかかることで（“上”を窺うことで）とにかく毎日を大過なく過ごそうという根性が今の“学校”に似ていないか、と柄にもなく考えたりもするのだ。おお語っているぞ、俺。

　それが間違いではないか、と大きな声で言えないのは、結局マクドナルドがひたすら巨大化し、勝ち組の筆頭に数えられているからにほかならない。マクドナルド的なるものは、やはり正しいのだろうか。

次葉繰越。