事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

河童のクゥと夏休み~1日目

2007-08-07 | アニメ・コミック・ゲーム

 2001年の4月23日。息子と娘をつれて今はなき酒田シネマ旭で「クレヨンしんちゃん/モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を観に行ったのは、いつもどおりのクレしんを期待した、いつもどおりの家族サービスのつもりだった。

 たまげた。

20世紀の、特に大阪万博の時代に回帰して『オトナであることを放棄したい』親の世代と、『成長しておねいさんとつきあいたい』しんのすけの世代の衝突を描きながら、なんでオレはこんなに泣かされなければならないのか。

特に父親のひろしが「オレの人生はつまらなくなんかなかったぞー!」と絶叫するあたりで、もう涙がとまらない。

 翌年の春に「アッパレ!嵐をよぶ戦国大合戦」を観たときは更にまいった。徹底した時代考証を背景に、お姫様と家来の身分違いの恋を、クレしんというおよそ場違いな設定のなかで展開し、しかも観客を感動させてしまうという力業にはほとんど呆然とした。娘は映画館を出てからふたたび泣き始めたくらいである。

「どうしてあの家来は死ななければならなかったの?」

 まだ、タイムパラドックスなど理解できるはずもないけれど、必死で説明したものだった。

「あの青空侍は、しんのすけがタイムスリップしたあの時点で、本来死んでいた人なんだよ。」

もちろん、小学二年生は納得してはくれなかった。

このふたつの作品を創りあげたのが原恵一。わたしと同学年だ。次作も当然期待したのだけれど、「この2作を超えることはありえないし、作っても焼き直しになってしまう」とクレヨンしんちゃんのメインクリエイターの座を後進にゆずってしまった。がっかり。

 以降、原がなにをやっているのかはなかなか伝わってこなかった。しかしこの春、どうやら河童の映画をつくっているとの情報が。これは、期待するなという方が無理なんじゃないの?

以下次号

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