マクドナルド物語⑫

前葉繰越。　2000年の夏、岩手の全事研の大会で、埼玉の参加者が「我々は、その報酬に見合う仕事をしているだろうか」と提起した。パネリストだった私は「確かにそう思います。学生時代にマクドナルドでバイトしていたときの、考えてみれば今は4倍の時給をもらっていますが……」と答えた。

“労働”というものを私はあの深夜に一人で行っていたメンテを基準にしているが、今のこの状態が、あの4倍働 いているとは胸をはれないところにイラつきの原因はありそうだ（正直、私は何の権限も責任もない当時の勤務校にイラついていた）。……あの頃の、1/4も、楽しくはないのだし。

……それにしても、20年以上前のことを、会話も含めてよく憶えている、と思われるかもしれない。もちろんそれにはタネがあり、私はこの頃から、自分でも変態ではないかと思われるくらい詳細な日記をつけているのだ。こんな自分が怖いっす。

　この頃、とは、原辰徳が巨人に入り、ジョン・レノンが射殺された頃のこと。日記には、泣き叫ぶヨーコ・オノの写真の切抜きが貼ってある。

　さあ今日でいよいよマクドナルド物語は最終回。明日からは映画特集で突っ走ります。最初は「河童のクゥと夏休み」お楽しみに。