「4A.M」というのは時刻の事だったのか~。
というわけで感想です。
今回ビデオで見たのは1995年ナイロン100℃五回目の作品にして、ケラさん曰く【古い付き合いの役者】による小人数の芝居
メンバーはみのすけ、今江(ゼリグ夫妻)、三宅、峰村(ゼリグの親友と婚約者)、犬山(パトリシア(実はゼリグの元恋人シビル)
この文句の言いようのない最強布陣!!
個人的には「消失」よりメンバーが好みです。役者のカラーが見事に違う。それでいてしっかり噛み合っているのだから見事。
物語は国が二つに分かれていて南はほとんど荒廃しゼリグ夫妻は奇跡的に北へ逃げ延び家を構える。(仕事は番組に詩を提供)
毎日何かに怯えながらも過ごす一日のほんの数時間を3場に分けている。(2幕は三日後)
そのせいか他のナイロン作品より濃い芝居だったが、どこか乾いた印象も残った。
【消失】と似たような部分もあるのだけれど、あちらが過去に大事な何かを失っていたのに対して、こっちは何ていうのかなあ、うまくいえないんだけど・・
【本当に大事なものは失っていない】感じかなあ。
五人いるところでお互いの関係が分かってあらためてそう感じた。
消失のラストが希望も何も見出せない前者に比べ、こっちはどこか明るい。「消失」のようなタイプを好む人には受け入れにくいかも(特にラスト)
赤い玉がキーになってるっていえば確かにそうなんだけど、これがあるおかげで現実味が薄れ、「ある一つの寓話」になってるともいえる。
まあ作者自身そう表記しているくらいだから狙い通りだったのかもね。
五人全員は極めてまともな人物だと自分では解釈
どこかおかしい部分はあるんだけど人ってみんなこんなもんじゃないのかなあ。と思う程度
北へ行っても「逃げ延びたのは夢じゃないのか。ここはまだ南じゃないの?」と怯える妻(今井さんの感情のふり幅は秀逸!)
そんな彼女を諭しながらもいざ自分が検査で奇病だと分かると(これは後に誤解と判明)急に奇行に走り出す夫(ここ、みのすけさんの真骨頂)
ゼリグを探し同じように北へたどり着きながらも彼に妻がいると分かったとたん【微妙な女心】で彼らを振り回すシビル(悪女っぽいのにそう見えないイヌコさんが可愛いし上手い)
医者の振りをしてるが本当は木こり(笑)荒廃で木がなくなって失業、ゼリグの要望でやってくるアイザック。この人が一番ブレのない人かも。マイペースで楽観的、婚約者に対しての言動はものすごい高圧的、なのにノリがよい。(まさに三宅さん流炸裂!)
バカっぽい振りをしてるけど、この中で一番冷静に状況を見ている(計算?)ファイヴ(リエさんの可愛さがよい。三宅、イヌコさんそれぞれとのコンビ芸は最高!)
見えない他の人物の描写も滑稽(アナウンサーは廣川さんだ)
幕の間に国の情勢の記述が入りその都度「北も危ないなあ」なんて見てるほうは認識するんだけど、登場人物は全く知らずに何かドタバタしてるからいつのまにか忘れてしまう。
ほんの数時間でゼリグさんが失業したり(上司の顎なしを怒らせたから)、虎がやってきたり(笑)外は危ない雨が降ってるし(体が溶けるって・・おいおい)奥さん切れて銃でアイザックさん撃たれて死んじゃうし(何故?(笑))もういろいろありすぎ(苦笑)
赤い玉のおかげで無事生き返り、ようやく落ちついたところで午前四時、窓に光も差し込んで長い夜も終わる。
そこでようやく気付いて言うゼリグ
自分達は危険にさらされている
ここで落ち着いてもどうせまた夜になるとその事を思い出すだろうと(思い出さない人もいるらしい(誰とは言わずもがな)←笑
ゼリグ:「さてどうする。今日から食う物は一切ない。仕事もない!金もない!外には虎の群れ!!」
妻:「そんなに威張られてもあなた仕事を続けるといったじゃありませんか」
ゼリグ:「それはさっきの放送を聞くまでの話だ。あんなことされてまで(放送で死んだ事にされた(苦笑))頭を下げる気はない!」
なんてこんな事言いながらも上司の顎なしが訪ねて来たとたん「どうする!どうする!」とあわてるゼリグさん。(大笑い)代わりに頭を下げる妻、いつものドタバタ・・・
気の抜けたようなシビルの一言で幕は閉じたのであった。
軽快な音楽がいつもの日常の始まりを表すかのようで決して平和ではないんだけど後味は悪くなかった。
ゼリグには妻がいて妻にはゼリグがいて
シビルは結ばれこそしなかったもののすぐ近くにゼリグがいる。
アイザックにはファイヴがいて
ファイブは心からアイザックを想ってる。
本当の自分を偽ってまで彼に尽くす彼女は傍目から見たら不幸なのかもしれないけれど、彼女はそれでアイザックが自分を見てくれるのなら幸せなんだろう。きっと。
全体的にポップで流れるような作品だった。
一目でわかるようなメッセージは何も語られていない。
だからこそインタビューで今江さんが言ったとおり【ボーっとして見てるとボーっと終わる】作品とも感じる。いろいろな見方が出来る多面的な寓話。
私なりの結論は【一番大切なものがあれば強い】って事かな。どうしても「消失」とくらべちゃうんだよね。あれは真逆です。北と南
あ、今思ったけど、「消失」を南、「4A.М」を北と考えると面白いかもしれない。設定違うけどね。
それにしても誰も見劣りしない役者五人てすごいなあ。
このメンバーで別作品見たいよ。ケラさん。
DVDで最販されたら買いますよん。
コメンタリーで裏話聞きたい。
というわけで感想です。
今回ビデオで見たのは1995年ナイロン100℃五回目の作品にして、ケラさん曰く【古い付き合いの役者】による小人数の芝居
メンバーはみのすけ、今江(ゼリグ夫妻)、三宅、峰村(ゼリグの親友と婚約者)、犬山(パトリシア(実はゼリグの元恋人シビル)
この文句の言いようのない最強布陣!!
個人的には「消失」よりメンバーが好みです。役者のカラーが見事に違う。それでいてしっかり噛み合っているのだから見事。
物語は国が二つに分かれていて南はほとんど荒廃しゼリグ夫妻は奇跡的に北へ逃げ延び家を構える。(仕事は番組に詩を提供)
毎日何かに怯えながらも過ごす一日のほんの数時間を3場に分けている。(2幕は三日後)
そのせいか他のナイロン作品より濃い芝居だったが、どこか乾いた印象も残った。
【消失】と似たような部分もあるのだけれど、あちらが過去に大事な何かを失っていたのに対して、こっちは何ていうのかなあ、うまくいえないんだけど・・
【本当に大事なものは失っていない】感じかなあ。
五人いるところでお互いの関係が分かってあらためてそう感じた。
消失のラストが希望も何も見出せない前者に比べ、こっちはどこか明るい。「消失」のようなタイプを好む人には受け入れにくいかも(特にラスト)
赤い玉がキーになってるっていえば確かにそうなんだけど、これがあるおかげで現実味が薄れ、「ある一つの寓話」になってるともいえる。
まあ作者自身そう表記しているくらいだから狙い通りだったのかもね。
五人全員は極めてまともな人物だと自分では解釈
どこかおかしい部分はあるんだけど人ってみんなこんなもんじゃないのかなあ。と思う程度
北へ行っても「逃げ延びたのは夢じゃないのか。ここはまだ南じゃないの?」と怯える妻(今井さんの感情のふり幅は秀逸!)
そんな彼女を諭しながらもいざ自分が検査で奇病だと分かると(これは後に誤解と判明)急に奇行に走り出す夫(ここ、みのすけさんの真骨頂)
ゼリグを探し同じように北へたどり着きながらも彼に妻がいると分かったとたん【微妙な女心】で彼らを振り回すシビル(悪女っぽいのにそう見えないイヌコさんが可愛いし上手い)
医者の振りをしてるが本当は木こり(笑)荒廃で木がなくなって失業、ゼリグの要望でやってくるアイザック。この人が一番ブレのない人かも。マイペースで楽観的、婚約者に対しての言動はものすごい高圧的、なのにノリがよい。(まさに三宅さん流炸裂!)
バカっぽい振りをしてるけど、この中で一番冷静に状況を見ている(計算?)ファイヴ(リエさんの可愛さがよい。三宅、イヌコさんそれぞれとのコンビ芸は最高!)
見えない他の人物の描写も滑稽(アナウンサーは廣川さんだ)
幕の間に国の情勢の記述が入りその都度「北も危ないなあ」なんて見てるほうは認識するんだけど、登場人物は全く知らずに何かドタバタしてるからいつのまにか忘れてしまう。
ほんの数時間でゼリグさんが失業したり(上司の顎なしを怒らせたから)、虎がやってきたり(笑)外は危ない雨が降ってるし(体が溶けるって・・おいおい)奥さん切れて銃でアイザックさん撃たれて死んじゃうし(何故?(笑))もういろいろありすぎ(苦笑)
赤い玉のおかげで無事生き返り、ようやく落ちついたところで午前四時、窓に光も差し込んで長い夜も終わる。
そこでようやく気付いて言うゼリグ
自分達は危険にさらされている
ここで落ち着いてもどうせまた夜になるとその事を思い出すだろうと(思い出さない人もいるらしい(誰とは言わずもがな)←笑
ゼリグ:「さてどうする。今日から食う物は一切ない。仕事もない!金もない!外には虎の群れ!!」
妻:「そんなに威張られてもあなた仕事を続けるといったじゃありませんか」
ゼリグ:「それはさっきの放送を聞くまでの話だ。あんなことされてまで(放送で死んだ事にされた(苦笑))頭を下げる気はない!」
なんてこんな事言いながらも上司の顎なしが訪ねて来たとたん「どうする!どうする!」とあわてるゼリグさん。(大笑い)代わりに頭を下げる妻、いつものドタバタ・・・
気の抜けたようなシビルの一言で幕は閉じたのであった。
軽快な音楽がいつもの日常の始まりを表すかのようで決して平和ではないんだけど後味は悪くなかった。
ゼリグには妻がいて妻にはゼリグがいて
シビルは結ばれこそしなかったもののすぐ近くにゼリグがいる。
アイザックにはファイヴがいて
ファイブは心からアイザックを想ってる。
本当の自分を偽ってまで彼に尽くす彼女は傍目から見たら不幸なのかもしれないけれど、彼女はそれでアイザックが自分を見てくれるのなら幸せなんだろう。きっと。
全体的にポップで流れるような作品だった。
一目でわかるようなメッセージは何も語られていない。
だからこそインタビューで今江さんが言ったとおり【ボーっとして見てるとボーっと終わる】作品とも感じる。いろいろな見方が出来る多面的な寓話。
私なりの結論は【一番大切なものがあれば強い】って事かな。どうしても「消失」とくらべちゃうんだよね。あれは真逆です。北と南
あ、今思ったけど、「消失」を南、「4A.М」を北と考えると面白いかもしれない。設定違うけどね。
それにしても誰も見劣りしない役者五人てすごいなあ。
このメンバーで別作品見たいよ。ケラさん。
DVDで最販されたら買いますよん。
コメンタリーで裏話聞きたい。