萌え～

会社のプリンターは、二大巨頭のＣでもＥでもなくて、
うまく使いこなすにはちょっとしたコツと熟練度が求められる。

たとえば、ＣやＥみたいに、
PCのモニタに映し出される鮮やかな色彩をそのとおりに再現するとか、
宛名ラベルの余白の幅を１ミリの狂いもなく認識して送れるとか、
ちょっと光沢のある紙を1枚だけ吸い込んで両面印刷するとか、
そういうのは、ちょっと、ムリ。

買ってきた張本人すら完全にサジを投げてるこの機械を、
言い含め、なだめすかして、どうにか御してきたこの２年。
ようやく“だ～いたい”想定どおりに印刷できるようになってきた今日このごろ。

そんなヒイラギの仕事人姿を毎日ハタで見ているスタッフたちが、

「すごーい！」
「さすがー！」
「じょうずー！」

と感嘆するのにもだいぶ慣れたのだけど。

今日のスタッフたちの反応は。

「ヒイラギさん、やさしいー♪」
「そんな風に励まされたら、私もがんばれるー♪」
「萌え～♪」

（も・・・っ、もえ～・・・？！）

ちなみに、それ言われたときにやってたのは、
プリンタくんに話しかけつつ、フルカラー・両面印刷のフライヤー３０部を、
１０枚ずつに区切りながら３回プリントアウトする、ていう作業。

――さあ、いってみようー♪
――はいはい、よくできたねー、あと２回ねー、ファイトー♪
――ほーら、キミはやればできる子なんやでー、残り１本、ファイトー♪
※「ファイトー♪」はテニス部の新入生な感じで語尾を上げてね♪

先生に見つかったら、仕事中にふざけてんのかと言われそーな勤務態度なんだけど。
“萌え～”って、そんな意味だったっけか・・・