仕事がらみで関連業界の知人が多いこともあって、
公開間もない日曜日になんとなく背中を押されるように映画館へ。
https://www.tsuki-cinema.com/
映画『月』。
相模原で起きたあのおぞましい事件をモチーフとした小説があり、
さらにその小説を原作としながらオリジナルの脚本が書かれている。
そういう意味では、少なくとも二重にフィルターがかかっているというか、
役者が台本を解釈したうえで演じていることも含めて数段階のフィクショナルな手が加えられている。
重いテーマではあるけどあくまでも娯楽映画作品の部類であって、
決してあの事件のドキュメンタリー映画ではないという大前提がある。
でもそのうえで観ても、あの問題の本質は何なのかということを、
突き詰めて考える時間を持たなくてはいけないという気持ちにさせる空気は伝わる。
そうして考えて考えてたどりついた想いや感慨というのは、
結論じゃなくてよいし、世の中の全員が同じ答えでなくてよいと私は思う。
けれど、物理的にも精神的にも“閉じている”ということこそ、
狂気を生む源泉だということは、万人にとって真理なのではないか。
そんなこんなを脳内でぶつぶつ言いながら飲食コーナーを目指していたら、
▲オンモールのイベントスペースで日曜マルシェ的なことをやっていて。
なんとなくくるっと一周見て歩いた最後のコーナーに見覚えのあるロゴマーク。
前日に合同ゼミをやっていた同僚の教え子さんから声をかけられて嬉しい再会。
きゃあきゃあ言いながら記念撮影をして。
立派なお大根を一本、お土産にもらって。
そうなのだ。こういうことなのだ。
独りが好きでも、強く思い込んでいる主義があってもいいけど、
ありふれた毎日に一瞬こんな時間があったときに、“仕合せ”を感じることができる。
その感性を誰もが持ち続けてほしいし、
その感性は誰からも傷つけられることがあってはいけない。
私はそう思う。