昨日の朝、交通事故のニュース速報を2件続けてテレビが伝えていた。
そのうちの1件は、自転車で首都高に進入して走っていた男性が轢かれたという死亡事故で。
ずっとむかし、羽田空港で働いていたころのことを思い出した。
知的にだったか精神的にだったかは忘れてしまったけど、とにかく困難を抱えていた‘ケンちゃん’。
毎年冬から春になって空気が暖かになり始めると誘われるように自転車でおでかけ。
気の向くまま風に誘われるままそれこそ高速道路だってお構いなしに自転車でおでかけ。
羽田空港にやって来たのが誰かに目撃されるとみんなでとにかく平場で帰りなさいと言い聞かせた。
うんわかったと、また黙々とペダルを踏んで、分かってるんだか分かってないんだかひたすら自転車でおでかけ。
そういえばあのころは、春が来るたびに‘ケンちゃん’が来やしないかと気を揉んだものだった。
そういえばあのころは、高速の入口近くで自転車を見かけるたびに‘ケンちゃん’じゃないかと二度見したものだった。
あれからずいぶん時が経って。
もはや‘ケンちゃん’なんて歳じゃなくなってるはずだけど。
‘ケンちゃん’なら、こんな寒い中でおでかけはしてないかも知れないけど。
死亡事故のニュース、‘ケンちゃん’じゃなければいいけど。
どうしてるだろうな、‘ケンちゃん’。