自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

"魚露目"で見たカタクリ(続々)

2023-04-12 | 

この群生地は,大きな規模のものが二つあります。この写真は二つの中でも大きな方です。上の歩道を人が歩いていきます。

 

山の斜面をカタクリが覆っています。まるでじゅうたんのよう。

 

優雅なスタイルの見えます。

 

時間をかけて撮影に熱中する人がいます。

 

写真から物語が見えたり聞こえたりすることが,わたしの狙い目。

 

撮っているとアリが現れました。アリはこの花がお気に入り。なにしろ,種子が落ちたときに,それに付着した誘引物質エライオソームを得るために種子ごと巣に持ち帰るのですから。その行動のおかげで,カタクリは分布を拡げていくのです。花の段階から,もう待ちきれないのでしょうか。

 

人や昆虫やらが入ることで,同じ花を撮るにしてもおもしろさが大いに違ってくると思うのです。

 


"魚露目"で見たカタクリ(続)

2023-04-11 | 

カタクリの花だよりに誘われて群生地を訪れる人はとにかく後を絶ちません。それだけの見応えがあります。雑木林の開けたところに,わんさかと花を開く光景は見事です。

 

右を向いても,左を向いても人,人。グループでやって来る人たちがいれば,まあにぎやかなこと。このとき,わたしの横では「わたしは大阪から来たのですが,○○のところで撮った白いカタクリをご覧に入れましょう」「わぁー,すごい!」「ここもありますかな」「……」。そんな会話が続いていました。

 

わたしの"虫の目写真"撮影スタイルは人を風景として入れること。

 

人を入れることをたのしんでいます。だって,この群生地を守る人たちは人がたくさん訪れることを期待しているのですから。その人を入れてこそ,群生地の雰囲気が伝わってこようというもの。

 

人の歩く足元にカタクリが咲いています。

 

逆光を味方にします。

 

こうして撮ると,カタクリ花壇といった趣があります。

 

だから,"魚露目"はおもしろくって,ゆかいな道具です。頼りがいのある,わたしの助っ人です。

 


"魚露目"で見たカタクリ

2023-04-10 | 

先月下旬,カタクリ群落に撮影に。天気が晴れという日を待って出発。しかし,晴れとはいうものの,春霞なのか黄砂なのかわかりませんが,遠景がぼんやりとした天気で,すこしだけ残念。

何回かに分けてご紹介します。中身はカタクリながら,タイトルには一貫性がありませんのであしからず。

魚露目で見える範囲を円形に抑えました。これはドアスコープと同じです。手入れが行き届き,群生地は保護されているので見応え十分。

 

接写は逆光気味なのがいちばん。レンズの先が写り込まないので,大抵はこのようにして撮ります。

 

ハナバエのなかまがいました。昆虫で見かけたのはこの種がほとんどでした。

 

花弁の,優雅な反りが映えています。

 

すぐ傍の花も。

 

観察の通路が決められていて,通る人がひっきりなし。

 

離れたところにぽつんと咲いているカタクリ。それを主役にして,カタクリを撮影する人を写しました。

 

人の手で保護するのはたいへん。観察者にとっては感謝,感謝。かつてカタクリが人の保護によらず自生している雑木林に行った経験がありますが,こんなに群生していなくてもそれはそれは感動ものでした。ここはまた別の意味で,人と植物とのかかわりが感じられるよき群生地です。

 


'23 昆虫の頭・顔 ~ベニシジミ~

2023-04-09 | 昆虫

庭にベニシジミがいました。何度も顔写真を撮ったモデルなのですが,今年初めて撮ることにしました。動き回ったり,舞い上がったりしてはモデルにはなりません。それで,夜間気温が下がったときに飼育容器を外に置き,動きが止まったときに撮ることにしました。

 

個眼が確認できるまで倍率を上げました。

 

真横から。このショットは時間を置いてから撮ったものです。

 

これは後日に撮った別個体の写真です。複眼の汚れはほとんどありません。

 

元の個体に戻って。真正面は垂直な姿勢にならなかったので,このままです。

 

上写真を角度補正したうえで,顔全体をトリミングしました。改めて,目に付着した微細な埃には驚き入ります。

 

このショットはトリミングなしで,超接写で撮りました。これも時間が経過してから撮ったものです。個眼が整然と並んでいる様はいつも驚くばかり。チョウの行動が埃の付き方に大いにかかわっていることが窺えます。

 

ベニシジミが飛び回りかけると,卵を産み付けるのは間もなく。これを見つけるのは至って簡単です。卵探しもたのしみの一つです。

 


'23 昆虫の頭・顔 ~キタキチョウ(続)~

2023-04-08 | 昆虫

前回の"キタキチョウ"は,体色が薄く,くっきり度に物足りなさを感じていました。これは個体差によるとはいえ,できれば鮮やかな色の方が迫力があるので,機会があれば取り直したいと思っていました。

畑で捕獲したのがこのキタキチョウ。体色は見た目から真っ黄色。モデルとしては申し分なし。夜間,気温が下がったところで撮影。

チョウはじっとしたまま。お蔭さまで苦労せず撮影できました。口元を入れて一枚。複眼の様相は,一律同じ色合いでなく,斑模様になっています。白い部分もあります。これは光の反射の仕方によるのでしょうか。

 

顔の上部を撮りました。

 

複眼全体が入るようにして撮りました。陰影がはっきりしてメリハリのある色です。

 

横から,すこし見上げるようにして。

 

正面,やや上気味から一枚。

 

個眼が見事に並んでいて,表面全体が白を入れた斑に見えます。

顔写真を撮るごとに,「へぇーっ!」と思うことがあります。小さな発見,愉快な出会いはいつもこころをわくわくさせてくれます。

 


'23春 虫の目レンズは友 ~サクラ(続)~

2023-04-07 | 

前回記事と同じサクラの木を撮りました。この日は朝から快晴。わたしの好みとしては,わずかに雲が浮かんでいれば理想的なのですが,それは欲張りというものかな。

この日は三脚を立てて,電車が来るのを待ちました。サクラは満開!

 

偶然,谷川の向こう岸にジープが来て停まりました。

 

木肌からはいかにも老木といった雰囲気が伝わって来ます。谷川の水面が見えます。ジープの運転手が用を済ませ,戻って来ました。サクラの木とヤマトの間に影が見えます。

 

ジープはバックで去りました。これを,蕊にピントを合わせて撮りました。主役はあくまでもサクラです。

 

サクラの花の周りでくらしが展開されています。サクラがそれらを見つめているような。

 


'23 昆虫の頭・顔 ~コカゲロウのなかま~

2023-04-06 | 昆虫

庭の手入れをしていたら,手元にカゲロウのなかまが! コカゲロウの一つなのでしょう。ほんとうに小さいので,よく目に留まったなあと我ながら感心。複眼が青っぽいので,「これは初めてお目にかかるなあ」と思い,捕獲。

時間を見つけて顔写真を撮りました。動きかけると盛んに動き回るのですが,静止状態に入ったらかなりの時間じっとしたままです。このように撮りやすいモデルは大歓迎です。

お餅型の眼。中ほどに褐色の線状縞模様が一周しています。

 

真横から撮りました。ご覧のように縞はきっちり一周しています。こんなに小さくても,複眼一般の偽瞳孔が現れます。

 

真正面から撮りました。単眼があります。証明写真といってもよいでしょう。

 

トリミングなしで,ぐっと近寄って撮りました。

 

もっと倍率を上げました。8倍相当です。小さな複眼に,さらに小さな単眼がぎゅうぎゅう詰めに,しかも整然と並んでいます。

 

初めて見る世界です。こういう世界に足を踏み入れると,いつもワンダーな気持ちになります。

 


"魚露目"で見たサクラ(続)

2023-04-05 | 

公園のヤマザクラ。駐車場にたった一本だけあります。ソメイヨシノほどには花がはち切れそうなぐらい付くわけでもなく,可憐な白い花がチリチリッと散らばって付いているのです。それがまた,奥ゆかしさとか上品さとかを感じさせてくれているようで,よいサクラだなあとうっとり。出過ぎないところが好きです。

おまけに,柔らかくってみずみずしい若葉が寄り添っています。なんと仲のよい!

 

一枝だけ手の届くところにあります。これは好都合なこと! 撮っていると,公園でけが人が出たようで,救急車が入って来ました。

 

入る車,出る車で,平日とはいえ結構賑わっていました。

 

「さあ帰ろうか。よく遊んだね」「たのしかったなあ」。自動車に帰って来た家族からは,そんな会話が聞こえて来そう。

 

サクラの記事アップはまだ続くかもしれません。

 


公園のモミジの花

2023-04-05 | 

春が来て,やさしい風が通り抜けて,公園は明るくなってきました。

モミジが花を付けています。モミジは葉と花が同時に出て来ます。

 

虫媒花なのでハナバチたちが盛んに来るところですが,木陰でもあり,気温が低めだったので虫はほとんど見かけませんでした。

 

振り返ると,メタセコイヤの並木が影を落としていました。みずみずしい若葉に,可憐な花。

 

自動車が見えて,施設と山が見えて,新緑に包まれた公園が光っています。

 

数日後。もう実ができ始めていました。実はより遠くに散らばっていけるようプロペラを備えています。

 

葉の緑はいのちの輝きを感じさせます。花の赤はささやかな主張を感じさせます。

 


'23春 虫の目レンズは友 ~サクラ~

2023-04-04 | 

公園の外れで,谷川が流れている撮影ポイントです。例年,ここでサクラの花を撮影するのがたのしみ! 品種はソメイヨシノです。

晴れて,程々に雲があって,ばっちり。電車が来ました。

 

このサクラの木は老木です。木肌を見ると,地衣類が覆っています。それが谷川の上に張り出しているのです。谷川の水は澄み切っています。ここに電車が写り込めば最高なのですが。これは次の機会に。

 

隣の幹もいかにも老木という感じ。

 

電車が過ぎ去ります。谷川の流れを見ると,水面がつるつる。

 

老いたサクラの木には風格があります。がんばって生きて来た息遣いが伝わって来そうです。