自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~アキアカネ Ⅰ~

2018-11-02 | 昆虫

秋はアキアカネがとくべつにお似合いです。わたしの住む地域はアキアカネが激減。とても寂しい思いをしながら,今だからこそ探してみようと思い立ちました。できれば田園風景でそれを目撃して,写真に収めたいなあと願いつつ,探してみることに。

ある片田舎。道路を走っているとき,脇に広がる乾田を見ると,棒にトンボがとまっているではありませんか。棒は鉄製。稲が育っている時期,シカの被害を防ぐためのネット用に立てられたものです。車をから降りて確認すると,棒先にアキアカネがとまっていたのですが,なんといずれの棒にもいたのです。これにはびっくり!

 

すてきな被写体との出合いです。棒の高さはわたしの背ぐらい。すこししゃがんで見上げる格好で撮りました。翅をとおして見える白雲がいいですね。

 

トンボはまったく逃げようとしません。向こうに稲株がずらり。 

 

棒を脚でしっかりつかんで,腹端をぐっと反り上げました。お陰様で,見慣れない構図をものにできました。 

 

こんなにトンボがいる風景がまだあることにびっくり。こんなに自然が残る地域があるふしぎを思い,うらやましく感じました。 

 


ススキ紙&オオエノコログサ紙づくり(2)

2018-11-02 | 野草紙

さて,叩解・離解工程です。ここでは手作業も採用。もっとも基本的な道具として石臼と杵を使います。この作業で得られる繊維は,長さも太さも均一ではありません。長さが異なると,ち密さには欠けますが,強さが出てきます。引っ張りに強さを発揮します。繊維一本当たりの絡まりが増すためです。結果,好みにもよりますが紙質に味わいが生まれます。

まず煮た草を水洗いします。

 

 

これを石臼に入れ,杵でこつこつ叩いていきます。

 

やがて,繊維がばらばらになって,全体としてしなやかさが出て来ます。セルロース繊維が現れたのです。

 

これを水洗いします。紙料の出来上がりです(下写真)。これでも紙が漉けますが,まだ繊維が荒いので一部をミキサーでさらに細かくします。今回は半分程度を細かくしました。それを混ぜてブレンドするのです。こうすることで,繊維間の隙間を埋めることになります。

 

次にオオエノコログサを,上の工程と同じようにして処理しました。下写真は臼・杵で手作業をしたあとの繊維です。

 

水洗いをすると,こんなふうになりました(下写真)。ススキと違って,もともとうんと細長い茎なので当然細い繊維が取り出せることになります。この繊維についてもブレンド作戦をとりました。

 

二つの資料を溜漉きで漉きました。そして金網の上でそのまま水切りして,乾かしました。乾燥にちょうど一日かかりました。夏と比べて大違いです。これで紙の完成です。