古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

こころが旅をする。

2010年07月31日 04時59分40秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 鳥取県中部の岡山県との県境(けんざかい)近くに、小学校時代の友だちの家があります。写真のように立派な藁屋根の家で、数年前に立ち寄ったとき「三朝町の文化財に指定しよう」という話があがっていると言っていました。彼は東京のほうの大学を出て社会的に立派な仕事をしてきましたが、古希近くなって郷里に戻りボランティア的に福祉施設の所長をしています。
 数年前に寄ったときは九十歳を越えたお母さんが元気に一人で暮らしておられましたが、去年の秋に寄ったときはだれもいませんでした。お母さんは天寿をまっとうされたのでしょうか。友だちにも会えませんでした。仕事に出掛けていたのでしょう。道を歩く村人にも出会いませんでした。
 印象に残ったのは玄関を入ったところに置いてあった箱です。三文判とボールペンが入っていて「宅配の荷物は置いて、自分で判を押してください」と書いてありました。町の荷物の集配所からはるばる県境までのぼってきた業者の人への配慮です。うちもこれができるといいのですが、このあたりではそれをしている人は知りません。
 旅は「ここは見た」「あそこはまだ見てない」と何かを征服するように行くものではありませんが、御朱印帳にお寺巡りの印をもらうようにあちこち漏れなく行きたくなることがあります。そんなときは一歩引いて「こころが旅をする」と思うことにしてます。
 郷里の鳥取県に、どうしてもどきどき帰って様子を見なければならない人はもういませんが、なぜか昔の人や出来事を思い出し、行きたくなることがあります。そんな機会があると気ままに寄りたいところに寄りながら旅をします。そんな旅が一番好きです。
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