hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

管打コンを終えて

2008-11-22 14:52:57 | sax_管打楽器コンクール
昨日、サクソフォーン部門優勝者の田中拓也さんが全ての部門の中で見事に大賞を受賞した。

田中さんに限らず全ての部門の優勝者が、初々しい面持ちで演奏していたのが印象的で、温かな気持ちになった素敵な演奏会だった。

大賞授賞式の際、作曲家の浦田健次郎氏の講評で、「個々に対してのことではないが、速い速度で演奏できても、その速度に乗れていない印象を受ける。」との発言に私も大変共感するものがあった。
それはフレーズのイントネーションやとらえ方とでも言えばよいのかもしれない。
この数ヶ月間、管打コンにちなんだレッスンや審査を通じて感じたことに、舞曲の速度感や拍子感に乏しい演奏が多かったという事があげらる。
元来、西洋の踊りや気質が日本人には理解し難いという事もあるのだろう。
また頭では理解していても、実演する際には奏法等の技術的問題が多々ある。

フランス人が仲間内でフェット(パーティー)する際、飲み食いしておしゃべりし、盛り上がってくると色々な音楽に合わせてよく踊るということを聞いたことがある。
フランス人に限ったことではないと思うが、ともかく西洋人にとって「踊り」とは我々が想像する以上に日常的な行為なのかと思う。
我々もカラオケなどで「歌う」ことはあるが、「踊る」という感覚は希薄かもしれない。

たとえ舞曲ではなくても音楽やフレーズに対して、気持ちよく乗れる感覚や奏法を考えることが大事だと感じたひと幕だった。

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