虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

騙しのテクニック 

2014-04-14 | 新聞・テレビから
政府税制調査会が「配偶者控除」の検討を始める、とテレビで報道していた。以前にも、朝日新聞で、「配偶者控除」の廃止について検討する予定、と出ていたが、その時の紙面では、「女性の社会進出のため」とあった。今日のテレビ報道でも、成長戦略のひとつ、女性の活躍を応援、とくる。目的は庶民からとことん搾り取ろうとする増収策でしかない。

「配偶者控除」の廃止を「女性の社会進出のため」とほんとに国民は思うのだろうか。

似たような手口は、あまりにも多すぎる。

「武器輸出三原則」が、今度は「防衛装備移転三原則」とくる。
「消費税増税」が、「社会保障と税の一体改革」とくる。
「復興特別法人税」の廃止を「賃金をあげるため」と説く。
野党といっても、90パーセントの国会議員は与党と変わらないのに、メデイアは、与野党激論といい、野党再編成とくる。
大企業を財政援助をし、財政難は庶民からの徴収でという政策(政策でもなんでもない)を「アベノミクス」と称する。
福島原発事故は「完全にコントロールされている」と世界に宣言する首相。
まだまだTPPとか、例はたくさんあって、あげきれない。

高木重朗の「魔法の心理学」「トリックの心理学」(講談社現代新書)は、マジックの入門書として、わたしの好きな本だが、まさに、最近の政府やメデイアの手口は、この「トリックの心理学」、いや、騙しのテクニックを駆使したものだ。

こんな簡単な騙しの手口にのってよいのだろうか。
手品なら、いい。騙されるのが楽しいし、むしろ騙されたい。うまく騙してくれたら拍手だ。

ひょっとして、手品の世界ではなく、政治でも、人々は、騙されたいのだろうか。「配偶者控除」の廃止を「女性の社会進出」という政府を「うまい!座布団一枚!」と感心するのかもしれぬ。「原発はコントロールされている」と堂々と宣言する首相に大拍手しているのかもしれぬ。安倍政権の支持率とは、観客の騙しのテクニックの評価かもしれない。

しかし、これは、手品の世界ではないんだが・・・・。