4月27日(金)夕刊
見出し「普天間移設先に含み 米軍再編見直し 中間報告に追加」
昨日、中間報告の発表を延期の記事があったが、今日、発表したようだ。
1面のトップではない。「米議会に配慮し、新たな移設先に含みをあれたもたせる表現を盛り込んだ」と書く。
含みをもたせるとは、「辺野古案を唯一の有効な解決策」としてあったのを「これまでに特定された唯一の解決策」と訂正し、「これまでに特定された」を付け加えたとか。田中防衛相は、「辺野古案が唯一有効で、その他はない」と言っているようだ。
米側がほんとに望んでる日本の負担額についての記事はなし。13面に関連記事があるが、見出しも小さな記事で、ワシントン発の、キャンベル氏やレビン氏の発言を伝えるだけ。中間報告は要旨だけ。一段と小さな字だ。「グアム移転の費用見積もりは86億ドルで、日本の財政支出は、グアム協定で規定された直接的な資金提供となる」。
グアム移転の希望が縮小されるアメリアが発表したとき、たしか日本の玄葉外相は、「当然、日本の負担額は減る」と発言した、と新聞に出ていた記憶がある。
それが一番、大事な問題だと思うのだが、新聞は、日本の負担額については、触れたくないようだ。それとも、今日は夕刊だからで、明日は、中間報告について、くわしく説明してくれるのだろうか?
4月28日(土)
朝刊 見出し「在日米軍再編 中間報告 軍事協力 政権前のめり」
昨日の夕刊の中間報告の解説記事で、「動的防衛協力」を打ち出したことを書き、負担額については解説なし。ただ、こういう文章があったので、メモしておく。
「これまで日本政府は、在日米軍基地に「ホスト・ネーション・サポート(接受国支援)=HNS」として費用を負担。2006年の日米合意を受け、グアムの米軍基地建設で初めて日本国外の基地建設に費用を捻出した。ただ、これは、沖縄海兵隊をグアムに移すための特例措置だった。中間報告は、特例をさらに北マリアナ諸島に広げ、費用・軍事両面での協力強化を具体的に盛り込んだ」「首相の助言役である長島昭久首相補佐官は、日本政府の米軍施設への財政支援の対象を「日本(ネーション)のみならず、「アジア太平洋地域(リージョン・サポート(リージョン)に拡大する「ホスト・リージョン・サポート(接受地域支援)=HRS」が持論で、首相にもこの考えを説明している。HRSはアジア重視にシフトしつつ、軍事費を同盟・友好国にも負担させる米軍の戦略に沿うものだ」
ホスト・ネーション・サポートとは、日本の「思いやり予算」といわれていたものだ。
たしか、昨年、アメリカ大使が、「思いやり予算」という言葉はよくない、と発言し、そのあと、前原大臣が、「これからは、思いやり予算とは言わず、ホスト・ネーション・サポートと言いたい。新聞もそう書くべきだ」と言ったという記事があった。
あれから、1年、朝日も、「思いやり予算」を「HNS」とか「HRS」とか、われわれ国民にはわけのわからぬ、アメリカにとっては、都合のいい文字で書くようになった。
アメリカへの理不尽な負担額について、朝日は社説でも論じない、と見た。
夕刊 素粒子
「「専守防衛」はいつ「動的防衛」に変わったのだろう。日米の共同訓練という名の海外配備。なんの議論もなく」
だったら、せめて新聞で大議論したまえ。素粒子でため息ついてもはじまらぬ。
4月29日(日)
社説 「在日米軍再編 施設返還を早く確実に」
「在日米軍再編見直し 中間報告」には評価できる点と、できない点がある」と書く。
評価できる点は「懸案だった米軍施設の統合、土地の返還、さらには海兵隊の国外移転への道筋が示されたことは一歩前進であり、進展を期待する」
評価できないのは、普天間の辺野古移設を相変わらず唯一の有効な解決策としたのはいただけない。新たな移設先を検討すべきだ」というもの。
「動的防衛力」とか、「日本の負担額」とか「日米の共同訓練場の整備」については、黙認の方針のようだ。
5月2日(水)
社説「日米防衛協力 このなし崩しは危ない」
「今回の防衛力強化には、米国の軍事費の実質的な肩代わりという懸念以上の問題点がある。私たちは専守防衛の自衛隊の定義から逸脱しかねない事態を招くことを危惧する」とある。
ちょっと待ってくれ、「米国の軍事費の実質的な肩代わりという懸念」はそのまま素通りかい?米国の軍事費の肩代わりという問題は、莫大なお金の問題であり、国民にとっては、税金の使い道として大きな問題のはずだが、これまで、新聞では、具体的にはほとんど指摘してこなかったではないか。米軍にとっては、日本は世界でも他にはない金ヅル、だからこそ、どこへでも日本を引き連れていくのではないのか?
「米国の軍事費の実質的な肩代わりという懸念」とはなにごとだ?それは「懸念」なのか?
さて、それ以上の問題点がある今回の日米防衛協力体制。では、どうするのか?社説は、こう結ぶ。「こうした疑問に対し、野田首相や外務、防衛相らに、国会での明快な説明を求める」。最近はいつもこうだ。国会での議論、国会での説明。しかし、外交や日米同盟、憲法論議など、自民党と民主党でどれだけ違うというのだろうか。長い国会の議論の中で80%は、自民、民主の発言が占め、日米同盟に疑問を持っている議員の発言は1,2分しかないのではないか?国会では何も明らかにはならない。
だから、新聞が国民に真相を伝えるしかないのだが、新聞も、グアム移転費については書かない。新聞の「なし崩し」こそ危ういのだ。
明日は憲法記念日。おそらくまた、「なし崩し的に」書くにちがいない。
見出し「普天間移設先に含み 米軍再編見直し 中間報告に追加」
昨日、中間報告の発表を延期の記事があったが、今日、発表したようだ。
1面のトップではない。「米議会に配慮し、新たな移設先に含みをあれたもたせる表現を盛り込んだ」と書く。
含みをもたせるとは、「辺野古案を唯一の有効な解決策」としてあったのを「これまでに特定された唯一の解決策」と訂正し、「これまでに特定された」を付け加えたとか。田中防衛相は、「辺野古案が唯一有効で、その他はない」と言っているようだ。
米側がほんとに望んでる日本の負担額についての記事はなし。13面に関連記事があるが、見出しも小さな記事で、ワシントン発の、キャンベル氏やレビン氏の発言を伝えるだけ。中間報告は要旨だけ。一段と小さな字だ。「グアム移転の費用見積もりは86億ドルで、日本の財政支出は、グアム協定で規定された直接的な資金提供となる」。
グアム移転の希望が縮小されるアメリアが発表したとき、たしか日本の玄葉外相は、「当然、日本の負担額は減る」と発言した、と新聞に出ていた記憶がある。
それが一番、大事な問題だと思うのだが、新聞は、日本の負担額については、触れたくないようだ。それとも、今日は夕刊だからで、明日は、中間報告について、くわしく説明してくれるのだろうか?
4月28日(土)
朝刊 見出し「在日米軍再編 中間報告 軍事協力 政権前のめり」
昨日の夕刊の中間報告の解説記事で、「動的防衛協力」を打ち出したことを書き、負担額については解説なし。ただ、こういう文章があったので、メモしておく。
「これまで日本政府は、在日米軍基地に「ホスト・ネーション・サポート(接受国支援)=HNS」として費用を負担。2006年の日米合意を受け、グアムの米軍基地建設で初めて日本国外の基地建設に費用を捻出した。ただ、これは、沖縄海兵隊をグアムに移すための特例措置だった。中間報告は、特例をさらに北マリアナ諸島に広げ、費用・軍事両面での協力強化を具体的に盛り込んだ」「首相の助言役である長島昭久首相補佐官は、日本政府の米軍施設への財政支援の対象を「日本(ネーション)のみならず、「アジア太平洋地域(リージョン・サポート(リージョン)に拡大する「ホスト・リージョン・サポート(接受地域支援)=HRS」が持論で、首相にもこの考えを説明している。HRSはアジア重視にシフトしつつ、軍事費を同盟・友好国にも負担させる米軍の戦略に沿うものだ」
ホスト・ネーション・サポートとは、日本の「思いやり予算」といわれていたものだ。
たしか、昨年、アメリカ大使が、「思いやり予算」という言葉はよくない、と発言し、そのあと、前原大臣が、「これからは、思いやり予算とは言わず、ホスト・ネーション・サポートと言いたい。新聞もそう書くべきだ」と言ったという記事があった。
あれから、1年、朝日も、「思いやり予算」を「HNS」とか「HRS」とか、われわれ国民にはわけのわからぬ、アメリカにとっては、都合のいい文字で書くようになった。
アメリカへの理不尽な負担額について、朝日は社説でも論じない、と見た。
夕刊 素粒子
「「専守防衛」はいつ「動的防衛」に変わったのだろう。日米の共同訓練という名の海外配備。なんの議論もなく」
だったら、せめて新聞で大議論したまえ。素粒子でため息ついてもはじまらぬ。
4月29日(日)
社説 「在日米軍再編 施設返還を早く確実に」
「在日米軍再編見直し 中間報告」には評価できる点と、できない点がある」と書く。
評価できる点は「懸案だった米軍施設の統合、土地の返還、さらには海兵隊の国外移転への道筋が示されたことは一歩前進であり、進展を期待する」
評価できないのは、普天間の辺野古移設を相変わらず唯一の有効な解決策としたのはいただけない。新たな移設先を検討すべきだ」というもの。
「動的防衛力」とか、「日本の負担額」とか「日米の共同訓練場の整備」については、黙認の方針のようだ。
5月2日(水)
社説「日米防衛協力 このなし崩しは危ない」
「今回の防衛力強化には、米国の軍事費の実質的な肩代わりという懸念以上の問題点がある。私たちは専守防衛の自衛隊の定義から逸脱しかねない事態を招くことを危惧する」とある。
ちょっと待ってくれ、「米国の軍事費の実質的な肩代わりという懸念」はそのまま素通りかい?米国の軍事費の肩代わりという問題は、莫大なお金の問題であり、国民にとっては、税金の使い道として大きな問題のはずだが、これまで、新聞では、具体的にはほとんど指摘してこなかったではないか。米軍にとっては、日本は世界でも他にはない金ヅル、だからこそ、どこへでも日本を引き連れていくのではないのか?
「米国の軍事費の実質的な肩代わりという懸念」とはなにごとだ?それは「懸念」なのか?
さて、それ以上の問題点がある今回の日米防衛協力体制。では、どうするのか?社説は、こう結ぶ。「こうした疑問に対し、野田首相や外務、防衛相らに、国会での明快な説明を求める」。最近はいつもこうだ。国会での議論、国会での説明。しかし、外交や日米同盟、憲法論議など、自民党と民主党でどれだけ違うというのだろうか。長い国会の議論の中で80%は、自民、民主の発言が占め、日米同盟に疑問を持っている議員の発言は1,2分しかないのではないか?国会では何も明らかにはならない。
だから、新聞が国民に真相を伝えるしかないのだが、新聞も、グアム移転費については書かない。新聞の「なし崩し」こそ危ういのだ。
明日は憲法記念日。おそらくまた、「なし崩し的に」書くにちがいない。