虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

産・官・学の大学

2011-12-24 | 新聞・テレビから
「ひらく日本の大学」調査を河合塾と共同調査をしたとして、朝日は2面を使って、大学教育について特集をしている。大学の広告ページかと勘違いしそうな記事だ。

FDやGPA、とか米国方式を導入しているとか、学ぶ仕掛け次々とか、こんな宣伝をだれに頼まれたのだろう。

大学も企業であり、役人やメディア(新聞、放送)関係者の重要な再就職先なので、大学を批判する記事は新聞にとっては、これまたタブーなのか?


朝日は教育記事に力を入れてるらしく、時々、教育記事も連載しているが、学力を伸ばすための工夫などの記事はあるが、「受験教育」という言葉はすっかりなくなった。受験教育の最終目標である大学の実態、大学の学問のあり方をまずまな板にのせなければならないのだが、まず、書かない。

あの悪名高い、原子力関係の大学教授たち、政府の審議会委員に名を面ね、なにかというと、有識者という役割で、利用される大学教授たち。昔の学生なら、学内で追放委員会を作り追放したはずだ。

医学や理工系の科学系の大学の先生のことは知らないが、法律や歴史や文学などの文化系の大学の先生たちはいったい何をしているのか、と思う。学生の質の低下よりも教授の質の低下を問題にすべきではないのか?

わたしは、古いのかもしれないが、大学の先生といえば、真理の探究に生涯をかけ、時代の風潮や社会からも超然とした、ちょっと世俗離れしたイメージを持っていたのだが、近頃は、政治家やビジネスマンの如しだ。

いったい、大学の受験料、入学金、授業料はいくらだ?その金額は世界でもおそらくトップクラスだろう。いや、入るために世の親たちはどれだけのお金をつぎこむのだろう。

受験産業もまた原子力むら同様、大きい。大学(企業)、予備校、私立学校、塾、出版等膨大な産業だ。その大学は、産業界と国とがっちり連携している。

わたしが高校生だった40年以上前は、まだ「受験地獄」とか「受験勉強の弊害」を問う声は多かった。なぜ、テストの成績をあげる必要があるのか、テストや入学試験は何のためにあるのか、と素朴な学生の声もあった。

しかし、あれから半世紀、「受験地獄」だとか受験制度を批判する声はすっかりかき消された。
40年前は、大学生も、「産学協同粉砕」、「大学解体」などと叫んでいたが、今の若い人はまったく通じないにちがいない。

大学の権威が地に落ちてるのに、「ひらく大学」なんて特集は大学の宣伝記事にしか思えない。