虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

鉄の男

2008-05-20 | 日記
最近、オークションを利用することがふえた。
ネット販売は危険なこともあるらしい。知人で、商品(カメラ)を申し込んでお金を振り込んだけど、商品が届かなかったこともあったらしい。知らない人や会社に、住所、電話番号を知らせるのもちょっと不安だ。

でも、あきらめていたような商品が見つかることもよくある。蘇峰の「近世日本国民史」46巻はまだ1万円で出ている。安いと思う。
明治書院版が1冊100円で売っていたので、6冊だけ買った。ちゃんと商品は届いた。古本屋に出ていない本もときどきある。あっと驚くほどの安い値段がついていることもある。

アンジェイ・ワイダ監督の「鉄の男」も出ていたので、申し込んだ。これは、ビデオ屋さんに置いていない。映画館で見たけど、「大理石の男」と共にぜひ持っておきたい、と思ったからだ。鉄工所で働く労働者が一人でストライキをよびかけるビラを配る場面など、実にスリリングだった。政治映画は、サスペンス映画でもある。

「冒険は何もアラビアの砂漠や太平洋上にだけあるのではない。あなたの会社、あなたの家庭、あるいはあなたの恋人、夫の会社にもある。今もしあなたの恋人や夫が労働組合のない会社にいて、彼が組合創立をめざして動いて行こうとしたらなら、あなたはどうするだろうか。」
小田実が「冒険者」について述べた文章の一節だが、こんな言葉を思い出させる映画だ。

ワイダは「鉄の男」を撮ったあと、ポーランドを亡命、そのあとフランス革命の「ダントン」を撮ったが、この「ダントン」はオークションには出ていなかった。
これは見てない。ダントンになっている俳優があまり好きではないのだが・・・。