らんかみち

童話から老話まで

シラチャー・チリソースは万能か

2012年08月29日 | 酒、食


 もうずいぶん前の話だけど、週末は大阪のキタで飲んだくれ、最後は揚子江という名のラーメン屋さんに入ることが多かった。「イラシャマセ、ナニシマスカ」という片言のお兄さんのテキパキとこなす仕事ぶりに感心しながら食べるさっぱり系ラーメンに舌鼓を打ったものだ。
 タマネギの薄切りをカリカリに揚げたのをトッピングするのは無料で、ぼくも連れもこれが好きだった。それだけでも十分なのだけど、テーブルにはケチャップのようなものが備え付けられていて、「なんじゃ、これ」と恐る恐るラーメンに絞り込んでみると……いける!

 中国語と英語が書かれてあって、どうやらチリソースらしく、感動したぼくたちは「どこへ行けば買えるのか」と、お兄ちゃんに尋ねたところ「キッギョヒミツヨ」と相手にしてくれなかった。
 以来5年ほどチリソースを探しまくったけど見つからず、ついにグアム島で発見することができた。中国語が書かれているけどアメリカ産で、数ドル出せばどこのスーパーでも買えるほどポピュラーなソースらしかった。

 あれから10年ほど経っただろうか。日本ではどうしても手に入らないのですっかり忘れかけていたけど、先日ふと思い出して調べてみたら、「シラチャー・チリソース」というタイ国の調味料らしい。
 探していたメーカーのは、ラーメン屋に置いてあったくらいだから日本に入ってきているのは間違いないのに、どうやっても手に入りそうにない。生協にリクエストしてみようとも考えたけど、Amazonで日本向けの小ボトルが買えるじゃないか!

 ユウキ食品も輸入しているらしいけど、フライング・グースブランドの品で満足できる。凡庸な味の塩ラーメンが激変するように、何にでも使えるソースだ。唐辛子、ニンニク、塩、砂糖その他が原材料なので、味は想像してほしいが、日本でいうところの「かんずり」と似ているかもしれない。
 量を使いすぎるとシラチャー味になってしまうので注意。ちなみに、例のラーメン屋さんはもう置いてないかもしれない。