らんかみち

童話から老話まで

塩糀という温故知新

2012年02月04日 | 酒、食
 巷で噂の塩糀が、少しだけどスーパーで平積みにされていて、467円という中途半端な価格設定に踊らされてしまった。塩糀そのものの作り方は簡単なのだが、発酵食品というのは失敗したときのやるせなさが半端ではなく、まずは既製品からトライする。

 若鶏もも肉唐揚げ用と明記された肉に塩糀を練り込み、およそ1時間後に片栗粉をまぶして揚げた。ニンニクその他の香辛料は一切無しで、果たして食えるものができるのだろうかって不安はあったが、これはいける!

 ハマリそうな予感がしてスーパーを再訪したところ、残り一瓶となっていて迷わずゲット。白菜とキャベツの漬物も作ってみたが、味はともかく糀のざらついた舌触りに違和感がある。普通の浅漬けだと思わなければ、まあなんとか許せるか。
 
 塩糀に茹でた大豆を擂りつぶして混ぜれば味噌になるわけだから、万能調味料ともてはやされるのも理解できる。いや、かつてもてはやされていた、というべきか。それがなぜ忘れ去られ、今になって復活を果たしたのか知らない。

 廃れたのが食文化の洋風化と関係がありそうだが、復活したというより新しい調味料として認知されたのだろうか。食べるラー油と比べる意味はないにしても、なんと清々しい温故知新じゃないか。