らんかみち

童話から老話まで

漆器はjapanだよ、恥を知れ

2009年01月14日 | 暮らしの落とし穴
「漆塗」実はプラスチック、TV通販「QVCジャパン」に排除命令(読売新聞) - goo ニュース

 こんな言い訳を口にできるなんて信じがたい、というよりこの一言でこの会社の何もかもが信用できなくなりますよね。購入した側にしてみれば、おれはあんたんとこの仕入先と取引したんじゃないんだよ! と怒り狂って当然でしょう。それを、当社もだまされたんです、とあたかも被害者であるかのように装うのはもっての外。だいいち、本物の漆を使った商品なんてどこにある! といいたいです。
 
 もちろん伝統工芸の「Japan」は存在しますよ。わが今治にも桜井漆器と呼ばれる歴史ある伝統工芸が継承されてます。でも一般的に漆塗りといえば漆風味のことなのもよくあります。塗料はカシューと呼ばれ、昔から模型にも使ってましたし、ホームセンターで売ってますね。原材料は、カシューナッツ。そう、おつまみの中にアーモンドやくるみと一緒に入っているマガタマみたいな形のやつです。あれ好きなんですよね、ビール飲みながら食べるとあっという間に無くなってしまいます。
 
 代用漆のカシューは本物より扱いやすくて強いとされてますけど、本物の漆は使ったことないので分かりません。ですがもうすぐ陶芸で本物の漆を使う機会があると思います。割れた陶磁器を継ぐのに漆を使って接着し、その上に金粉や銀粉をふりかけるのを、金継ぎ、銀継ぎと呼ぶようです。陶芸作品は割れたら当然価値が下がるとしたもんですが、金継ぎをするとかえって芸術性が増し、価値が上がったりすることもあるようです。
 
 このように優れた特質を持つ漆を、カシュー製品と同列に置くなんて許せません。なんといっても漆器は「japan」と呼ばれる日本が世界に誇る伝統工芸じゃないですか。この会社は日本の崇高な精神を貶めた国賊である、とまでは言いませんが、ちっとは恥を知れといいたい。