らんかみち

童話から老話まで

女子プロレスと将棋指し

2006年12月07日 | 社会
 プロ将棋の世界には女流棋士会というのがあって、いわばプロレスの前座に女子プロレスリングがあったみたいな位置付けというか、扱いをされている。給与面とか発言権の無い待遇は、男性棋士のトップが億単位の年収に与るのに反して、女流棋士はキャリアウーマンにもかなり引けを取るのだとか。
 
 女子プロレスリングの世界は知らないが、ある時期から美人プロレスラーが輩出されるようになって、写真集を出したりCDを出したりするようになった。今では女子プロの試合だけでテレビ放映されるし、男性ほどの迫力は無いにしても、スリリングなショーを堪能できるらしい。
 
 このたび女流棋士会が日本将棋連盟から独立することになったのだそうだ。女流棋士の実力はまだ男性アマチュアトップにも少し及ばないが、存在感は年々大きくなっているから、ここらで独立独歩したくなったのは理解できる。
 いつまでも男の隷属物としておれるか、とウーマンリブの運動が始まったように、タイトル戦のおまけやイベントの人寄せ、お飾りに甘んじておれないのだ。
 
 将棋は人間が指すものだから、将棋の内容だって世相と無関係ではいられない。武士道精神に横溢した江戸時代の将棋と、進取の気性に富んだ明治の将棋は一味違うといわれているし、戦前と戦後、そして現代の将棋も世相を反映しているといわれる。
 女流棋士会の独立が成功するか否かは、そういう風に社会性をはらんだ棋譜を彼女たちが残せるかどうかにかかっているのだろう。単に将棋連盟の会長に反旗を翻しただけの一時的なクーデターに終わらないことを願っている。