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■ある二人 鈴木絢子・伊藤也寸志二人展(2月25日まで)

2007年02月22日 22時55分12秒 | 展覧会の紹介-写真
 お二人はたしか北海学園大写真部(1部のほう)所属で、鈴木さんが4年、伊藤さんが3年生。
 どちらが撮った、などのキャプションは一切なしで、79枚のモノクロ写真がならんでいる。

 入り口から見て右側の手前の壁から、おおむね時系列に沿って展示されている。いちばん古いのは、地下鉄の駅などでお互いを撮った一連の作品で、昨年5月のものもあるという。そのころの写真では、伊藤さんはアフロの長髪だ。
 右手にあるのが、これまでも一部をmicro.などで発表してきた室蘭の古びた街路などの風景。
 そして、古風な窓に挟まれた正面の壁には、二人の、それぞれの顔を写した写真と、野の花を写した写真とが、貼られている。伊藤さんは髪を切り、別人みたいだ。この、卓上とか花畑のではない、暗い花の写真のテイストは、アラーキーを容易に連想させる。
 事実、79枚のうち2枚は、アラーキーの写真集が、フレームの中におさまっている。

        

 しかし、全体のうち半数以上を占めるのが、伊藤さんの自室で撮ったそれぞれの写真である。
 部屋にベッドが置いてあるためだろうか、二人とも着衣(伊藤さんは、キース・ヘリングのデザインしたトレーナーなんかを着ている)とはいえ、妙に、生活感というか、湿り気や人いきれのようなものが漂っている。

 そういった写真の中に、市電が走る南1条通の情景や、ギャラリーユリイカの階段でシャッターを切ったショットなどがまじる。

 いまでこそ、アラーキーを“引用”する伊藤さんだが、3年前はもっと粗い粒子の風景などを撮っていて、どちらかという森山大道の作風に近いものがあったそうだ。

 たくさんの写真をならべることで、二人がいっしょにつくりだす空気感みたいなものが、表現されているように感じられた。うまくいえなくて、すいません。
 

2月20日(火)-25日(日)9:00-19:00
札幌市資料館(中央区大通西13 地図C)

□blog「写真都市」


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2 コメント

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ご来場ありがとうございます! (y@5u5hi)
2007-02-22 23:40:22
いやぁ、このように記事にしていただけると、
素直に嬉しいといか、
気恥ずかしいというか・・・。

ここ最近、色々な人とお話していく中で、
少しずつ自分なりに総括しているところですが、
やはりこのような形式の「二人展」は今までもなかったし、
これからも無いのだろうなと考えてしまいます。

こうして並べてみると、
やはり、自分たちでも言葉にできない、
まるで自分たちのものではないような、
不思議な感じがしています。

そういった具体と抽象の交錯、
その辺が写真の面白さだと思います。
返信する
Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-02-24 00:21:44
ギクシャクした、つたない文章で申し訳ないです。アップも遅れてしまいましたし。

機会があったら、少しずつ文章は手直ししていきたいです。

>具体と抽象の交錯、
その辺が写真の面白さだと思います。

なるほどなあ。
おもしろいですね。
返信する

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