『三輪』のクセは「されども此の人、夜は来れども昼見えず、或夜の睦言に御身如何なる故に因り、かく年月を送る身の、昼をば何と烏羽玉の夜ならで通い給はぬはいと不審多きことなり」とはじまる。
此の人とは男、実は三輪の男神である。
男は女のところに毎夜通いお楽しみになる。女もまんざらではなさそうで、夜だけじゃなくて昼にも来てよ、とおねだりする始末。
こういう男女のエロチックな関係を堂々と謡ってしまう . . . 本文を読む
私、恥ずかしながら外国語・英語が丸出駄目男(マルデダメオ)だ。
くだらない駄洒落で済まされないほど過去の不勉強を猛反省している。
母は私を小学校入学と同時に英語塾に通わせ国際的な人間に成長してほしい、と夢を膨らませていたのかもしれないが、生憎これにはまったく応えられなかった。単語を覚えるとか、ごくごく簡単なご挨拶をする程度のやさしい段階では楽しく学習していたが、英文法というあの規則を覚えるところ . . . 本文を読む
地井武男さんが逝かれてから、もう数日が経つ。
俳優としての地井武男はもちろん知っているが、晩年のテレビ番組「地井散歩」がとてもよかった。毎回見ていたわけではないが、なんとも言えない味わい深い番組で、地井さんがスタッフを気遣う楽屋裏までカメラがおさめているのが、面白かった。
地井さんは「僕は運が良いだけ、分かれ道ではいつも誰かが良い方に導いてくれた。これからはいただいた運をお返ししていきたい」と話 . . . 本文を読む
12日は大鼓・高安流の佃 良勝氏の「鼓調会」でした。
この日のメインは、なんと言っても阿部麻子様。
山本東次郎先生が舞われる三番三を、小鼓頭取大倉源次郎氏を相手にご立派に打たれました。
玄人顔負けぐらい、上出来でした。
翁に女性が入ること云々はあるかもしれませんが、お素人様であんなに間が良く、気が充実していて、而も、東次郎先生が「舞い出しのところが自然と身体が動く感じで囃して下さったからすごい . . . 本文を読む
能は個人の技芸で勝負する者が集団化して演じる芸能だ。個々は常に芸力を高めておかなくてはいけない。そうでないとお呼びがかからなくなり、ひもじい思いをする。であるから皆必死に稽古して芸を身につける。
ただ残念ながらたまにお勉強が足りない者も生まれる。これはどこの世界も同様のようだ。
ただ舞台人の場合、お勉強不足の下手は困りものだ。劣る者が少数ならば、出来る者の力でなんとかカバーするが、出来る者が少 . . . 本文を読む
9日(月)は快晴のお天気に恵まれて、「下呂温泉合掌村」からスタートして「岐阜城」へはバスで一時間半かけて移動。
そびえ立つ天守閣には金華山ロープウェイを利用するとあっという間に山頂駅、しかしその後は10分ほど急な階段の坂道と天守閣の狭い階段をのぼると・・・・・
360度のすばらしい眺望が待っています!
では、写真にてご紹介します。
下呂温泉合掌村は国家指定重要有形民族文化財の「旧大戸家住宅」をは . . . 本文を読む
本日から岐阜県下呂市の「水明館」にて恒例の「ゆかた会」が行われます。
というのに、昨夜、携帯電話を落としてしまい、それ以来液晶画面が表れない状況です。
PCはWi-Fiは山の中で通じず、携帯もだめ、という最悪状況でのゆかた会です。
このBLOGは契約解除を考えていたPHSですが、このような危機を考えてそのままにしておきました、正解です。
会員の、家族も、連絡先は判らない状態です。
やはり必要デ . . . 本文を読む
まだ「ういの~」と駅のアナウンスが流れていた頃、上野駅は汚く不衛生なダーティな日本の裏玄関、というイメージが強かった。
「♪上野発の夜行列車降りた時から、青森駅は雪の中・・・♪」と石川さゆりの歌う『津軽海峡冬景色』を聴くと尚更、どうもあの薄暗い昔の駅を想像してしまう。まだ16、17番線などの常磐線ホームはその面影が少し残っているが、山手線や京浜東北線の上に出来たスペースは見事に綺麗に変身した。
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仲間内で申合や本番の後に、ひとことアドバイスをすることがある。
これは誰にでも出来る。「あ、こうした方がいいよ」「あれはだめ、直した方がいいよ」と。
しかしこの手のものの効果はあまり期待出来ない、ほどほどだ。本当のアドバイスには二の矢が必要だ。「なぜかというとね・・・」と続け、その根拠を説明することで聞き手を納得させる。ひとことアドバイスには補足説明と裏付けが必要なのだ。それを持ち合わせてこそ . . . 本文を読む
能は江戸幕府の式楽となってから、江戸城内に建てられた舞台を最上位として、本舞台や橋掛りの長さが決まった。元禄時代の記録では、江戸城本舞台の大きさは「京間三間四方」、橋掛りの長さは「柱間十一間」で、シテ柱とワキ柱を結ぶ角度に設置するとされている。
(大小前から目付柱を見ると)
国立能楽堂の舞台はこの江戸城舞台を模して作られたが、本舞台は5.4メートル四方、橋掛りの長さ13.5メートルと、やや小振 . . . 本文を読む
能舞台の後ろにある板を「鏡板」といい、松の絵が描かれている。
どうしてあのような松になるのだろうか?
この松は舞台正面先にあると想像される「影向(ようごう)の松」が舞台側に写ったものとされている。影向とは神仏が姿を現すことで、影向の松は神仏が現れるときの依代(よりしろ)となるものだ。
奈良の春日若宮神社のお祭りの初日、田楽や猿楽などの芸能者が鳥居の傍らにある一本の松の前で芸を披露したが、その . . . 本文を読む