国立能楽堂定例公演『嵐山』は、満席のお客様をお迎えして無事勤めることが出来ました。
ご来場頂きました皆様ご鑑賞、誠に有難うございました。

脇能は「真」「行」「草」の三段階の位に分けられます。
『高砂』や『弓八幡』は本格的な脇能の構成で、演者達は気品と力強さを舞台に繰り広げる技を求められる「真」の脇能です。

それに比べて『嵐山』は、穏やかで、華やかさが求められる「草」の脇能です。
『嵐山』は脇・脇連(3人)から始まり、前場のシテとシテ連(2人)アイ(1人)後ツレ(2人)と後シテ(1人)と「真」の脇能に比べて登場人物が多く、華やかなショー的な作品となっています。

この華やかさ、晴れの風(雰囲気)を、舞台上の全ての能楽師の技が一つになった時に、舞台で繰り広げられる京都嵐山の桜は「真」の満開となります。
そして、ご覧になった皆様のお心に、もし感動が起きましたら・・・
それが世阿弥の言う「真の花」のようです。

「真の花」を目指し、舞台活動に精進いたしますので、今後ともよろしくご鑑賞をお願い申し上げます。

写真提供 新宮夕海

 



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