能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

体験教室3回目の報告

2006-05-31 06:52:46 | 粟谷明生の日常
中野舞台での体験教室も昨日で3回目。参加者のみなさんは初日のようなガチガチの緊張が少し取れて舞台にも慣れてこられたようだ。指導したことが徐々に真似出来るようになってきた!成果が表れてきたぞ!こう感じる時が教えていて一番嬉しい。 謡は大きな声で謡えていいのだが~~~微妙に揃わないところがあった。以前は型重視で見逃していたが、昨日からは徹底的に合わせる練習も始めた。昨今玄人が揃わないでいる情けない状 . . . 本文を読む

『高野物狂』の地謡

2006-05-30 08:16:27 | カルーク面白楽屋裏話
『高野物狂』と『柏崎』の初同は似ていてどちらも劇的で難しい。この二つは子供が勝手に出家してしまい、それを知り激怒する。感情の昂ぶりの頂点をどのように謡いながら持っていくか、そこが面白いところ。シテの無念さ・悔しさを感情を徐々に高ぶらせながら代弁するように!聞かせどころよ! この両曲に共通するものは、「今はいつしか」や「うきときは」の一句でいとも簡単に心情の転換・場面転換を表現してしまうこと。ここ . . . 本文を読む

脇連について一言

2006-05-29 08:06:18 | カルーク面白楽屋裏話
昨日の喜多流自主公演の『高野物狂』と『野守』に脇連の名前が載っていたのに気がつかれた方は、かなりの能楽の通だ。能評家といわれている方々は気がついていたかな~もっとも昨日いたのかな~~? 日頃、下掛宝生流や東京の福王流に慣れている私にはツレの出演は違和感を覚える。両曲とも喜多流としては一人脇の設定だが、昨日は両曲とも脇連が二人も出た。私は番組作成・校正委員の立場上「脇連の記載は間違いではないの?」 . . . 本文を読む

マイ箸

2006-05-27 06:57:26 | 粟谷明生の日常
今、割り箸はほとんどが中国産である。その中国の木材が値上りしているようだ。 中国の情勢で日本が変化しなくてはいけない昨今の経済状態はどうなの?悪いこと?そんなことは~~判らないあき君である。私は行きつけの店にマイ箸を置かせてもらっている。 店主さん曰く「そりゃ!一本でも使わなければ助かりますよ!」というご主人の提案で、私に寄せ木作りの箸をプレゼントしてくれたのだ。これが使い易くて気に入っている . . . 本文を読む

蝋燭能の火

2006-05-26 07:40:07 | 粟谷明生の日常
国立の企画「蝋燭能の形式で平曲と越後聟と能『巴』」まさにてんこ盛り、寿司をつまんで天ぷら頼み、最後にウナギで締めるような番組だ。あ~~~ゲップが出そう! それでも楽しんでいただけた方がいらっしゃるようなので~~少しは安堵した。 私、今日もまた『巴』の地謡にいきますが~~気になることが一つ。 物着が越後聟と重なっているのだ。昨日は『巴』は橋掛で物着をしましたが、今日は通常のように後見座でやるら . . . 本文を読む

鈴木肇様のご逝去

2006-05-25 09:22:15 | 粟谷明生の日常
愛知県・新城(しんしろ)市は能が盛んな町だ。新城市民会館には「能楽のふるさと」とお立て看板もある。ここに稽古に伺うようになったのは確か~~平成3年かな~?もう15年ぐらいお世話になっているのか~~~~ 新城の稽古は故新太郎叔父の取り計らいだった。新城能楽社の太田康弘氏、永田六兵衛氏、鈴木肇氏の3名の代表が中野の本家にいらして、当時の祭礼能の状況や今後の対応について叔父に相談した結果。「では明生を . . . 本文を読む

喜多流の謡の音階について

2006-05-24 07:47:06 | カルーク面白楽屋裏話
体験教室の第二回が終了した。仕舞は基本動作の確認と開いた扇の持ち方からはじめ、「然るに勾践な」のシテ謡から上羽まで通して指導した。 皆様だいぶ慣れてこられたが~~~、少しハイペースだったかもしれないな~~~と、ちょっと反省。 謡は『船弁慶』のクセを謡ってもらったが、お一人がメチャクチャ音感がよく、声が出るのでこの方にリードされてみなさんも大きな声で謡われるので教えていても楽しい。稽古は私の音に . . . 本文を読む

伝福寺に粟谷家の墓が~~~

2006-05-23 06:05:20 | 粟谷明生の日常
広島の中区昭和町に伝福寺という曹洞宗のお寺がある。そこに粟谷家の墓があるので先日ご住職にお話を伺ってきた。ほとんどの墓石が一新され、皆綺麗になっている中で我が家の墓といわれる3つの墓は以前のままだ。ご覧の通り、古く臭い異質な感じでも貫禄があるでしょ~?お弟子のご住職のお話では~「ありゃ~~いい墓石です。原爆でやられておりますが、ありゃーいいものですよ~」と。「六合と書かれた墓石は俳人の墓みたいです . . . 本文を読む

粟谷益二郎50回忌追善の会

2006-05-22 08:50:10 | 粟谷明生の日常
昨日は粟谷益二郎の50回忌追善の粟谷会があった。写真は祭壇に粟谷益二郎の下居構えの写真が飾られた。じつはこれ、雑誌「喜多」の仕舞のお作法というコーナーで喜多六平太氏が8ミリビデオで撮影したものの一部なのだ。 昔話だが、雑誌「喜多」に「イタリア・ベニスでの公演の写真を記載したい!」と喜多六平太(長世)氏が父から多数の写真を持っていった。しかしその後、それらの写真はそれっきり父には戻って来ていない。 . . . 本文を読む

仙台青葉能

2006-05-21 00:35:52 | 粟谷明生の日常
昨日は仙台青葉能で能『松風』と『項羽』の能二番の副地頭を勤めてきた。 少し疲れたが、父がいう「心地よい疲労」というのが判るような気がした。 我が師、友枝昭世氏の『松風』の副地頭という重大なポジションがプレッシャーであったが自分なりには最善を尽くしたつもりだが~~~。 その成果は~~観客の皆様に聞いてみたい。 『松風』はやはり謡が良くなくては成立しない曲だと思う。 シテとツレ大島輝久君の連吟は綺 . . . 本文を読む

初めての楽屋働きは~~~

2006-05-20 04:26:29 | 粟谷明生の日常
弟子入りした、佐藤 陽君は昨日粟谷会申合でようやく本家、粟谷能夫氏にご挨拶後出来た!「お話伺っていますよ、頑張って下さいね、今日からどんどん働いて~!」このお言葉に甘えて、早速着物に着替え楽屋働きとなった。出雲康雅氏、長島 茂氏にも挨拶を済ませ、若い職分や内弟子さんにも紹介出来て、いよいよ粟谷家に仕える能楽師として修行、精進のスタートだ! まずは揚げ幕の扱い方から指導した。申合ではちょうど能『羽 . . . 本文を読む

週刊百科「人間国宝」創刊号

2006-05-19 08:28:28 | おススメ書籍
創刊号には付録として人間国宝全員が地域別に紹介されている全名鑑がある。能楽関係は4枚目からはじまる。 まずは東京!14世喜多六平太先生からスタート!宝生の近藤乾三先生、高橋進先生、松本恵雄先生、喜多流の後藤得三先生、金春流の桜間道雄先生、お世話になった観世銕之亟先生、みなお亡くなりになっているがその次に現役の父が登場している。これだけでも価値があるから~~~~能楽ファンは¥500をしぶらないで、 . . . 本文を読む

「なんとのう ええ・慶次郎雑談」はお薦め!

2006-05-18 04:35:45 | おススメ書籍
「なんとのう ええ 慶次郎雑談」片山慶次郎著が出版されたので読んだ。これはお薦め!皆さん、アマゾンで買いましょう!と言いたいが~~現在登録出来ていないので、お急ぎの方はお近くの書店、いやもしかすると売っていなかもしれないので能楽専門店「能楽書林」(03-3264-0846)や「檜書店」、「わんや」でお求めいただきたい!¥2500は高くないですよ。 内容は片山家のこと、京都観世流の歴史や宗家のこと . . . 本文を読む

近所の店

2006-05-17 08:16:14 | 気になるお店
住所をお書き下さい、と言われ「世田谷区~~」こう書き始めたい!と思い続けていた。 十条の病院で生れ、6歳までは文京区雑司ヶ谷の借家、それから父は練馬区向山に一軒家を購入、弟も大きくなってきて一駅奥の富士見台の上鷺宮に移り20代までを過ごした。父は今そこにいる。結婚当初は富士見台駅の裏の貫井町にいたが、やがて中野区の江古田にマンションを購入し移った。ここのマンションのオーナーは北詰文司さん、あ~~ . . . 本文を読む

阿吽20冊を1冊にするというプラン

2006-05-16 13:52:31 | 粟谷明生の日常
粟谷能の会の機関誌「阿吽」は20号を数えています。 このたび1冊にまとめてみては~~? というご意見がありましたが、必要!欲しい!と思われる方がどのくらいおられるのか調査したいと思います。 すでに無料で配布しているものを、1冊にまとめるだけでしかも有料で売るには不安もあります。 そこで必要と思われるだけ作るというのはどうだろうか?ということでご購入希望者を募っています。 1冊¥1000になる . . . 本文を読む