Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

フィリピン国鉄(PNR)探訪

2010年01月26日 11時54分48秒 | フィリピン
たいへんご無沙汰しております。1月10日より21日までフィリピンに滞在し、フィリピン国鉄(PNR)やLRT1号線などを視察して参りました。22日に自宅に到着したもののフィリピンでの無理な行動から疲労が蓄積してしまったせいか、自宅に着いたとたんに酷い風邪を拗らせてしまい、ブログの更新ができませんでしたが、ようやく健康状態も良くなったため少しずつフィリピンの話題を述べていきたいと思います。また、メールなどをいただいている方々には順次お返事させていただきたいと思いますので、どうぞご了承いただければと思います。

それでは第一弾として、やはり最も注目されるフィリピン国鉄(PNR)の話題から述べていきたいと思います。私が訪れました時点においてマニラ首都圏内に運行されているフィリピン国鉄の運行本数はTutuban~Bicutan間にRotem車のDMUが8往復、Tutuban~Binan(ビーニャン)間に12系客車が1往復運行されています。全線にわたり単線(上り線使用)運行が実施され、Espana(エスパーニャ)、Beata(旧駅名Pandakan)、Pasay Roadで列車交換が可能ですが、全ての駅においてポイントが1箇所しかないため、スイッチバックをして列車交換を行っていました。これらの列車交換の詳細については後日述べたいと思います。

写真はEspana(エスパーニャ)駅南東側での列車交換シーン。


まず、韓国Rotem車製のDMUですが、現在のところ3両編成が6本配備され、そのうち3本が使用されています。以下に編成表を示しますが、私が滞在していた頃はDMU1、DMU2、DMU4が使用され、運用は同じ編成が同じ時間に運行されているようです。(ローテーションではないようです)
また、このDMUは先頭車にエンジンが装備され、中間車に電動発電機が2機装備されているとのことです。

←Tutuban 編成表 Bicutan→
DMU1 DMR-01 ITR-01 DMR-02
DMU2 DMR-03 ITR-02 DMR-04
DMU3 DMR-05 ITR-03 DMR-06
DMU4 DMR-07 ITR-04 DMR-08
DMU5 DMR-09 ITR-05 DMR-10
DMU6 DMR-11 ITR-06 DMR-12

DMR-12以外はフロント部分が全て青色に塗られていましたが、20日に確認したところこのDMR-12も青色に塗られてしまい、全てのフロントが青色となりました。

写真はDMR-12のフロントが無地であった頃のものです。(1月18日撮影)


現在のところDMUは計6本で、3本が運用に入っていますが、来月(2月)の最初の週にダイヤ改正が実施され、5本が運用に入る予定です。ダイヤ改正に伴い南側の終点であったBicutan からSucatに延長され、時期はわかりませんが早々にAlabang(今年中にSucat~Alabang間複線化)まで延長されるものと思われます。また、ダイヤ改正に伴い複線化され(線路は今週から使用か?)、現在の8往復から17往復に大幅に増発され、ラッシュ時では30分毎、データイムは1時間~2時間毎の運転間隔になる予定です。

2月ダイヤ改正時刻については以下のとおりです。
列車番号Tutuban→Sucat(下り)
101 5:05→5:55
103 5:35→6:25
105 6:05→6:55
107 6:35→7:25
109 7:05→7:55
111 7:35→8:25
113 8:05→8:55
115 9:05→9:55
117 10:05→10:55
119 12:05→12:55
121 13:35→14:25
123 15:05→15:55
125 16:05→16:55
127 16:35→17:25
129 17:05→17:55
131 17:35→18:25
133 18:05→18:55
201 18:35→20:15(12系客車Binan行き:時刻はBinan着)

列車番号Sucat→Tutuban(上り)
102 6:05→6:55
104 6:35→7:25
202 6:00→7:45(12系客車Binan発:時刻はBinan発)
106 7:05→7:55
108 7:35→8:25
110 8:05→8:55
112 8:35→9:25
114 9:05→9:55
116 10:05→10:55
118 11:05→11:55
120 13:05→13:55
122 14:35→15:25
124 16:05→16:55
126 17:05→17:55
128 17:35→18:25
130 18:05→18:55
132 18:35→19:25
134 19:05→19:55

写真は車庫へ入るため、入れ替え作業中のDMUです。


2011年10月完成を目標にNorthrail-Southrail Linkage Project Phase2によるAlabang~ Calamba間(約27km)の複線化とコミューターサービス化が実施される予定で、この計画によりDMUが5編成分増備される予定で、現在配備されている6編成と合わせ計11編成となるようです。現在のダイヤでは本数こそ少ないもののラッシュ時を中心にかなりの利用客があるため、この11編成分で足りるとは想像できませんので、もしかすると更に増備されるのではないかと思いますが、今のところは11編成分でTutuban~Calamba間のコミューターサービスを賄うようです。

次にTutuban~Binan(ビーニャン)間の12系客車列車についてですが、1日に僅か1往復の列車があります。Binan朝6:05に出発し、Tutubanに8:05に到着。逆はTutuban17:35に出発し、 Binan19:35に到着します。
列車はDL+12系客車6両で、使用されていた12系客車はTutuban側から7A-2029+7A-2019+7A-2006+7A-2014+7A-2015+7A-2007という順序で組成され、7A-2008と7A-2025はTutuban車庫内で予備車両となっています。いざという時はこの2両を使用するとのことですが、どの車両も投石や雨水などにより、かなり老朽化が目立っているため、Calambaまでのコミューターサービス開始とともに去就が心配されます。

写真はTutuban駅に到着するBinan発402列車で、この日は15分ほどの遅れで到着しました。


ビコール地方のコミューターサービスとしては、2009年12月16日の改正で、以下のような列車が運行されているとのことです。
Naga5:30→Sipocot6:45
Sipocot7:00→Naga8:14 8:30→Ligao10:30
Ligao11:00→Naga13:00 13:20→Sipocot14:35
Sipocot15:00→Naga16:15
DLが2機Nagaに配置され、12系を改造した車両が5両配置されているとのことです。
また、今年5月にTutuban~Legazpi間の全線開通を目指しているとのことであり、Bicol Expressが復活するものと予想されます。
この他、Bicol地方のコミューターサービスを補うため、JRユニオンに無償譲渡による交渉が実施されているとのことであり、もしかするとJR東から電車が譲渡され、床下機器やパンタを外し客車化した上で、DLに引っ張らせて使用することを検討中とのことです。

大まかなフィリピン国鉄の状況については以上でありますが、詳細については後日述べていきたいと思っております。