散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

運命を変えられたSTAP細胞たち~小保方晴子さんの生命科学(1)

2014年02月04日 | 科学技術
理研のホームページでは報道発表資料の中で、次の様に説明されている。
 『体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見
 -細胞外刺激による細胞ストレスが高効率に万能細胞を誘導-
   2014年1月29日 独立行政法人理化学研究所

発表者 発生・再生科学総合研究センター センター長戦略プログラム
    細胞リプログラミング研究ユニット
    研究ユニットリーダー 小保方 晴子

また、『60秒でわかるプレスリリース』では、
『ヒトを含む哺乳類では、受精卵が分裂して血液や筋肉など多様な体細胞に変わり、その種類ごとに個性づけ(分化)されます。体細胞は分化を完了するとその細胞の種類の記憶は固定され、分化を逆転させて受精卵に近い状態に逆戻りする「初期化」は、起きないとされています。』

『初期化を引き起こすには、未受精卵への核移植である「クローン技術」や未分化性を促進する転写因子というタンパク質を作る遺伝子を細胞に導入する「iPS細胞技術」など細胞核の人為的操作が必要です。』

『もし「特別な環境下では、動物細胞でも“自発的な初期化”が起きうる」といったら、ほとんどの生命科学の専門家が「それは常識に反する」と異議を唱えることでしょう。しかし、理研発生・再生科学総合研究センターの小保方研究ユニットリーダーを中心とする共同研究グループは、この「ありえない、起きない」という“通説”を覆す“仮説”を立て、それを実証すべく果敢に挑戦しました。』

それにしても、具体的な内容の説明において、『…生後の体の細胞(体細胞)は、細胞の個性付け(分化)が既に運命づけられており、…』と書かれている。“運命”という言葉を生命科学では使うのか!驚いたと言うか、感動の気持ちも少し含まれたショックであった。生命現象での“自発的な初期化”の発見は細胞の運命を変えたのだ。



 「理研報道発表資料 図1多能性細胞と体細胞

この図1から多能性細胞と体細胞の違いは理解できる。また、多能性細胞については、着床前の胚盤胞(着床前胞)がその例であると判るのだが、初期化できる体細胞とは、どの程度まで変化したものまでなのか、良く判らない。

絵にあるような神経細胞などが初期化できるのか?これが多能性細胞まで変化するとは考えにくいのだ。まあ、疑問は疑問として大凡のイメージは素人にも判るように説明されている。

常識外と思われる仮説を実験的に立証することは凄いとの一言以外に言いようが無い。今後、熾烈な競争に入るはずだが、たゆまぬ努力で先を切り開いていくことを期待しよう。