最近、東京オリンピックの酷暑対策の一つとして「夏時間」(時計の針を1または2時間早めること)をやってみたらいいんじゃない?と、某氏が呟いたとかで、首相が自民党で研究してくださいとなった。
で、ITとか、法律の専門家は、例えば「システム屋としては2年を切ったタイミングで物理的に無理だろ、以上という話でしかない」とコメント:
http://blogos.com/article/317927/
でも、このブログ著者の楠正憲さん(知人ですが)、重要な、大切なことをこの文言の後に書いていると思う。
で、・・「夏時間、無理。将来的にもコストかかりすぎて無理」と切り捨てるのではなくて、ちょっと、思考実験としておもしろそうなので、試してみた。
まず、用語の定義:eT=eco Time、現行の日本標準時(JST)から1,または2時間早めた時刻(例題としてまずは2時間とする)
プラン1:(ITシステムの変更なし)
・「国民運動」として、政府か国内オリンピック委員会が全国民(または関東圏住民、会社、役所等)に呼びかける。春分の日(0時)から、秋分の日(0時)までは、2時間早寝、早起きをしましょう。役所、会社、商店なども2時間早く仕事を始め、2時間早く終業しましょう。飲食店やレジャー施設は時間延長。
・eTの開始終了の日付は米国に合わせてもいい(経済取引や人的交流が多い国なので)
・法律で決められた時刻(取引記録等)は従来どおり。銀行の開店は、各銀行独自で決め9時-15時でもいいし、7時-15時など変更はできるところは実施。(ATMの有料時間帯は変えても変えなくていい。銀行やコンビ二銀を利用者が選ぶ)
・交通機関(通勤に関係する電車、バス、タクシー等)には早朝の増発をお願いする。テレビ、ネットニュースなどには広報の協力をお願いする。
利点:IT等、システムの変更は殆ど無い。交通機関には臨時ダイヤ編成と表示、周知の負担が発生するが。
弱点:国民の「生活習慣」を変えさせるのは、とても難しい。早寝が広がらないのに、早起きだけ、あるいは「残業」習慣が残る。
備考:実は、現在のJST、とういうか今の時間制でも、土木建設業や大工さんの世界では早朝5時集合、6時作業開始など普通。外国での経験でも、スイス(当時は夏時間なし)のPTT(郵電公社)課長さんの知人は毎朝6時半に出社、午後3時には退社して業務に支障はなかった。日本でも、日産自動社研究所にいた友人は毎朝6時過ぎに出勤していると言っていた。
プラン2:(法的な記録に関わるITシステムは現行のまま。一般市民が目にする表示の「時計」をeTにする)
・意図は「生活習慣」としての時計だけを変更し、半ば強制的に始業と終業時刻を示唆する。
・商取引の記録、銀行取引記録などは、従来JSTと同じとする。
・eTには特別なマーク、例(eT)を表記して、法的時刻(JST)と明確に区別して併記する。
・役所は、eTで始業し終業する。所内ではeT時計とJST時計を並べて掲示する。役所の公的コンピュータはJSTで動作する。すなわち、公的記録はすべてJST(従来と同じ)
・民間企業が自社の開店、閉店時間をどうするかは、各自企業の自由。銀行も同じ。
・交通機関、電車、バスは運行システムの変更が生じる。ここには補助金を出す。ですが、電車、バスは年末年始など、臨時ダイヤのIT追加修正は経験値がある。飛行機は外国にも飛ぶので、UTC(国際標準時)で動いているので変更は容易(と想像)。
・テレビ放送には広報を重点的にお願いする。だがその運用ITには、なんらかのコストが必要だろう。必要ならば補助金。
・スマホの時間表示には、外国では「タイムゾーン」選択機能があるので、日本向けにもそれを追加すれば、実現は容易。
・企業のeT就業規則の実施には、手間もかかるし、反対の意見もあろうから、なんらかの社員へのインセンティブを導入。例えば、地元商店、コンビニで使えるクーポン1万円など。
注:夏時間とすると人間の睡眠時間への健康面の悪影響があると強く主張する北海道の高齢医師がおられるが、本当に統計的・医学的なエビデンスがあるのだろうか私は疑問だと思っています。
私は健康面での問題を感じなかったので夏朝早く起きる事大賛成です。