朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

原発依存から、脱すること(考察)

2011-04-24 | 東日本大震災
ここ1、2週間は、近未来のエネルギーをどうすればいいか、素人なりに考察しています。


引用:財団法人エネルギー総合工学研究所ウェブ
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1012.html

この「発電原価試算」を見ると、
原子力発電:   4.8~6.2円/kWh
石炭火力発電:  5.0~6.5円/kWh
LNG(液化天然ガス) 5.8~7.1円/kWh

思ったほど、原発の経済価値は優れているわけではない。コスト範囲の下限も上限も石炭の5%しか違わない。

一方、石炭火力やLNG(都市ガスの原料もこれ)はそれほど高くないですね。
風力は2倍以上、太陽光なら10倍近くコスト高。

そこで、ない知恵を絞って検討しました。

とりあえずの「結論」:(理由は後述)

a) 現存の原子力発電所は安全対策を十分に強化して継続利用する。

b) 原発の新設は停止する。電力不足分は発電コスト見合いで、LNG、石炭火力とするが、CO2回収装置にさらに投資する。
 国際間のCO2排出取引(1997年京都議定書の17条)で、独裁政権の途上国から巨額のCO2排出権を購入するよりは、CO2(二酸化炭素)回収・閉じ込め技術の研究開発に投資するべき。

c) バイオ技術応用の研究開発にヒト、モノ、カネを集中投資する。短期的には、被災地の居住に適さない宅地や水没地域と、農地の放射能汚染地域を、バイオ燃料用作物の農地として県市町村が借り上げて、実際の農作業は地元民に委託する。そして、その作物は燃料エタノールに加工する。


理由と考察:

1.原発の発電コストと他の発電コストの数値比較を見ると、原発に次いで石炭火力があり、その差は近接している。この種の数値はいくつかの前提条件によっており、例えば発電所の立地住民対策費や廃炉コストなどをどこまで公平に見ているかは典拠に遡る必要がある。

2.仮にこの数値を前提にすれば、今後、原発の安全対策や立地住民補償費が急増することは確実。

3.石炭は確認埋蔵量が石油よりも1桁多い(と記憶)。中期的には石油は化学製品(プラスチックなど)の原料に使用すべき。石炭採掘技術は需要が高まれば技術開発投資が大きくなり、効率改善が進み採掘コストの低下が起こるだろう。例、石炭炭鉱での液化技術が可能。

4.石炭火力の欠点は、塵埃、硫化物・酸化窒素とCO2の放出だが、前者の二つは現在の回収技術で解決すみ。CO2は、LNG火力と同等な問題で、発生 源がその煙突からなのでそこにCO2回収装置をつける。コスト高になるが、原発コスト上昇との見合い。

 LNGに関しては、「コジェネ」(コジェネレーション)、消費者宅・企業事業所の敷地内で、都市ガス(あるいは灯油)の供給を受けて自家発電しその副産物の熱を温水や空調熱源に利用、もある。しかし、コスト、エネルギー生成効率、可用性(アベーラビリティ=故障、停電、地震、台風等での稼動性)、安全性(天災時の火事、都市内配管の信頼性)などの弱点がある。

5.代替エネルギーに関して。
5-1.風力発電の大増設提案、コスト的に許容範囲との発表が最近、環境省からあった。
本当だろうか。電力買取価格や建設補助金を「政策的 に」倍増しないでペイするのだろうか。
5-2.太陽光発電。シリコン素子製造工程で消費されるエネルギー、設置工事費、付帯蓄電池等ライフサイクル全体でのエネルギー収支がとれるのだ ろうか。
5-3.地熱発電、潮流発電。初期投資、機材の腐食、メンテナンスを考慮して収支がとれるか。

5-4.バイオマス。密かに、これが本命になってほしいと思っています。
 ※ 薄く広く到来する太陽エネルギーを、いかにして、効率的、低コストで収集するか。

 ① 植物の光合成機能を利用。品種改良(遺伝子操作)により、荒地、砂地、沼地にて粗放栽培できる高でんぷん生成植物をつくり、その成果物を機 械で収穫し、バイオ技術でアルコール、エタノール、水素等燃料に転換。燃料電池方式で発電。また一部はガソリン代替の自動車燃料とする。すでににブラジル等で実績がある。

 ② 光合成の化学的メカニズムを応用して、それを人工的な有機材料に組み込む。太陽光とCO2、H2Oを原料として、水素、酸素、(電気)を発 生する。基礎研究の成果例 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/237604

①の副次的な利点は、被災地で海岸に近い水没地、あるいは放射性物質汚染地域でも、それらの土地をこの作物の農地にして、地方自治体が借り上げ、とうもろこしや稲(将来的にはバイオ燃料加工にもっと適する作物)を植えて収穫し、それをエタノール等に加工。その農業に地元農民が従事できることが大きな利点と考えます。

以上
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