朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

聖と俗

2010-04-28 | 伝統芸能
京都造形芸術大学の前学期、公開連続講座「日本芸能史」に今年度も受講登録しました。

 テーマは「聖と俗 ~神仏を中心に」



 第1回は諏訪春雄学習院大学教授の総論でした。(4月12日)
 芸能、つまり伝統的な神楽、唄、踊りなどは、聖なるもの、神仏を敬う行事でもあり、神がかり、神が乗り移って舞い踊るなどの変化もある。聖と俗は対立する概念ではなく、並立する分離した存在であることを、具体的な事例を示して講義されました。



 この大学には、本格的な劇場設備があります。その舞台を使って今回の連続講座でも、ほとんど毎回、伝統芸能の実演とその演者による解説があります。



4月19日、聲明 (しょうみょう)の実演がありました。

 木戸敏郎教授の解説が最初にありました。

 つづいて、色鮮やかな袈裟をまとった天台宗総本山比叡山延暦寺の現役僧侶の方5名による実演でした。

 聲明という音楽概念が確立したのは、昭和42年国立劇場記念公演にて「聲明コンサート」が演奏されたこと。それを企画したのが今回の木戸教授だとのこと。

 博士(はかせ):聲明の記譜法。図形で表現し、音階(宮、商、角、緻、羽)旋律形(イロ、マクリ、マワシ、ユリなど)は記入されるが、音高は各人の声の音域によるため、師伝とのこと。塩梅(えんばい)、音から音への移行過程も口伝。

 荘厳(しょうごん):法会の会場(えじょう)。

 導師、職衆(しきしゅう):法会に出仕する僧侶。特別の役割を割り当てられて者を役者と呼ぶ。歌舞伎の「役者」の語源。

 四箇法会(しかほうえ):唄、散華、梵音、錫杖。天平時代の大仏開眼法会に記録が残る、1300年の伝統。

 唄(ばい):聖なる法具である法螺貝の音を擬音している。貝と口で、唄。天台聲明では秘曲であり、独唱曲ではあるが顕になることを恐れて、唄が独唱されるときは他の僧侶が脇で散華を合唱して匿すように演奏する。

 散華(さんげ):花を撒いて会場を清め、仏を勧請する曲。本来は時花(しけ)、季節ごとの花を撒いた。(神道では榊、季節に関係なく)頭のソロで始め付所から同音の合唱となる。歌詞は金剛頂経からの抜粋。

 対揚(たいよう):仏の来臨を喜ぶ大衆の声。歌詞は対句形式となる。

 虚階(こかい):聲明を声を出さないで唱える。無言唄。雅楽にも同様な無言演奏がある。

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