朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

能と源氏物語

2008-10-21 | 伝統芸能
社会人エクステンション講座「日本芸能史」後期第2講です。
 題目は「能」
 能楽師片山清司氏(京都観世会会長、写真)の実演と解説を受講しました。
 最初の40分は、能「源氏供養」の実演でした。壇上に4本の模擬柱を立てて、舞台と橋掛かりをしつらえ、衣装は本物を着付けて演じていただきました。ただし、さすがに、地謡や囃子方までは呼べないので、それはテープ演奏でしたが。
 受講者には資料として、謡の歌詞が配布されました(写真下)。
 歌詞はこの紙を見ながらでも、半分くらいしか認識できません。まして、初見では意味を取ることも大変難しい。
 演舞の後、着物と袴姿に着替えた片山さんの解説がありました。
 まず、「源氏供養」とは、紫式部の亡霊が主役となり物語に出てくる主人公たちの霊を弔うことが主題になっています。そのため、知名度の高い「夕顔」「末摘花」「空蝉」などの名前が現れます。
 シテ(主役)は、通常、ワキ(シテ演じる亡霊の聞き手となる僧侶等)に向かって、謡いと舞を演じる。そこで、観客は「ワキ」になったつもりで、シテの発する情念を受け止めよ、と。
 下賀茂神社で観た「半蔀」の序の舞も実演があり、舞の基本的な動作や扇の使い方についての話をされました。
 そのクセ(注)の一節を、聴講者全員で実際に声を出して謡う体験もあり、なかなか中身の濃い1時間半の授業でした。




(注:「くせ」= 能の一曲は、いくつもの小段(しょうだん)が連なって構成されている。「クセ」はその小段の名称のひとつ。シテに関する物語などが、主に地謡(じうたい)によって謡われ、一曲の中心的な重要部分をなしている。主にクセの中ほどから後半で、節目の一句か二句をシテやツレなどが謡うことが多く、これを「上ゲ端〔上羽〕(あげは)」と呼ぶ。この上ゲ端が2回出てくる長いものを二段グセ、上ゲ端のないものを片グセと呼ぶ。また、シテが舞台中央に座したまま進行するものを「居グセ」、シテが立って舞を舞うものを「舞グセ」と呼んでいる。中世に流行した「曲舞(くせまい)」という芸能を取り入れたものといわれ、名称もそこからきているという。[the-noh.com能楽用語辞典より引用])

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