鮎釣人の日々

 退職後の人生をどう生きるか。鮎釣りを中心とした今後の生活設計模索の日々を綴ります。

鮎釣人の日々(10/13)

2013-10-13 08:30:00 | 日記
 魚を刺身にする際、うろこ、鰓、内臓、血合い等を取り除くまでの下処理があります。調理の世界ではこれを「水洗い」と言います。これ以降は水は使いません。
 最近、カンパチの未成魚(赤平)を刺身にすること機会が多く、水洗いの際に魚の背骨を中心とした骨格をキチンと観察するようになりました。
 魚の鰓と内臓を取り除き、内臓に面する脊椎骨の下側の血合いを掻き取った後、腹の内側から背骨をよく見ると脳から背骨を繋ぐ延髄部分が明瞭に見えます。脳から脊椎骨に繋がる部分は脊椎骨数個分に相当する直線状の管になっていて、最初の脊椎骨に繋がっています。
 魚の〆は延髄を損傷することにより実施されますが、水産の世界では、この延髄を破断することを延髄切りと言っています。具体には鰓から線向けて包丁を入れ、背骨を押し切る感覚で処理をすれば延髄が切断されます。
 結局、神経の伝達経路を切断するわけですから、延髄でなくても頭に近いところの背骨でもいいのですが、外から見えない脊椎骨のつなぎ目を探るよりは、延髄の方がごつごつせず切りやすいのです。
 さて、この延髄は脊椎骨に繋がりますが、管になった延髄に針金を通せば背骨の上部を通る神経部分を針金が通ることになります。世間では魚の神経の通り道に針金を通して神経伝達を遮断することを神経締めと言っています。
 今まで漠然としか理解していなかった魚の鮮度保持については、魚の脊椎のどの部分に延髄があって、何処を神経が通っているかをよく見れば、「なるほど」と合点がいきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする