外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

円、思いのほか早い反発-「A氏からのメッセージ」01月08日

2014-01-08 23:13:02 |  -ドル円

スタンス:様子見

調整局面を迎えていたドル円相場だが、結局105円台迄再び戻って来た。昨日の米国株式市場が反発した事と、それを受けて日経平均も大幅に回復して来た事から再びリスク選好ムードが高まっているようだ。



個人的にはもう少し調整局面が続くかと思っていたが、意外に早く戻って来た印象だ。

欧州時間では、ユーロ圏失業率が低位継続という結果を受け、ユーロ売りが対円にも及び弱含んだが、すかさず買いが入った。ただ、明日には米国雇用統計を控えており、ここは様子見としておきたい。

雇用統計が引き続きいい結果だった時には再び大きなトレンドになって行く可能性がありそうだ。



昨年5月以降の円のブルベア、ベア動向だけで動く-IMM分析後編

2014-01-08 12:00:59 |   -【特集】IMM残高分析

<前回出たと比較した各通貨のネット残高変化>

続けて、前回データと比較した各通貨のネット残高変化のグラフです。

こちらも、今後3回分のデータを掲載する予定ですが、年末に差し掛かる時期だったこともあり、豪ドルを除き、方向に一貫性が見られず、調整が主体だった裏付けにもなっています。

ネット残高の方向性を確認することで、各通貨に対するIMMの相場観は概ね把握できますが、ここでも重要なことは、各通貨全体の取組高の増減や、反対のポジションが取り崩されての方向性なのか、同じ方向の残高が増えての方向性なのかによっても、意味合いは微妙に異なってきます。本年はこの辺りもなるべく掘り下げてみようと考えています。

まず、ドル円ですが、前回が大きく売りこされ、今回は逆に買い越される結果となっていますが、全体の動きを詳細に分けてみてみましょう。

過去3回分のブルベアはご覧の通りで、依然としてその割合は今回のデータでも大きく傾いています。
円の買い持ちは極限にまで減少し、今回は前回と概ね同じ残高である一方、売り持ち残高だけが3回の中で最も少なくなっており、今回の買い越しの殆どが、円売りの取り崩しによる調整が進んでいたことが判る反面で、円高までを見込んでいなかったことも見えてきます。

また同じ8000コントラクト強の買い越しとなったポンドは、御覧の通りの結果です。

過去3回の買い越しには殆ど動きが無く、ポンドの先高観に変化はないようですが、ここからのポンド高には懐疑的であることも見えてきます。
今回の買い越しは、主にポンド安を諦めた売り越しの手仕舞いによることが判っており、ネットの方向性が買い越しだったからといって、先高観が高まったとは言えない状況が伝わってくるようです。

<総括と考察>

さて、新年に入り各相場は一段と調整色を強めています。

週末の米・雇用統計を前に積極的になれないと仮定するなら、調整の方向にポジションを積み上げているのではなく、今回見たドル円のように傾き過ぎた側の残高を落としている状況が想定できます。

2013年は5月に103円台後半を付けた以降、乱高下しながら暫く揉み合いました。この間、円高を見越す円の買い越しは一度も3万コントラクトを上回っていません。つまり、円売りの積み増しと取り崩しだけでここまで相場が進んできたとも言えそうです。

だとするならば、円買い残高が積み上がり始めるまでは、少なくともIMMは円高を考慮しない可能性が在りそうです。売り越しの残高調整で相場が下落することは今後も有りそうですが、こうして考えてみると、円のブルベアがある程度均衡に近づくまでの調整を待っていては今後も円売りに動けない可能性が出てきます。

勿論、買い越しの動向には注意をしつつも、ブルベアの偏りをあまり警戒材料にし過ぎない方が良いのかもしれません。
こうした観点で、次回以降もIMMデータを分析してみたいと思います。

以上、IMMの取組残高分析でした。
この内容は動画でもご覧いただけます。豊富なグラフなどを交えて、より理解しやすくなっています。是非、ご覧ください。


※上の画像をクリックすると、ForexTVジャパンのIMMチャンネルが表示され、当該動画をご覧いただけます。



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円売越しは小幅減少、原因は円の買い戻しに尽きる-IMM分析前編

2014-01-08 10:54:48 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、

2014年、明けましておめでとうございます。本年最初のIMM取組残高分析をお送りします。

前回データは順延となって番組をお届けできませんでしたが、今回のデータは12月31日終了時点のもので、本来は先週末3日の取引後に米CFTCから発表されるものが、6日月曜日に順延されたため、日本時間では今朝になって発表されたデータです。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。まず、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化をみてみましょう。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>

前回のデータはFOMCの結果が織り込まれた24日終了時点でのデータでしたが、相場は一段と上昇し、ドルの買い越しが一段と積み上がっていました。今回のデータはその後の年末までをこなしたものですが、買い越しは調整によって減少していた一方で、相場は更に上昇していたことが判ります。

対円におけるドルのネットポジションは、前回の143822をピークに、135228コントラクトの買い越しに減少しています。

<全通貨別ネット残高推移>

次に、各通貨のネット残高のグラフです。

今回から過去3回分のデータを各通貨毎に表示することに致しました。こうすることで直近のトレンドが確認できると思います。

前回の番組に使用したデータから一回飛ばしたデータを挟み、今回のデータの3本がそれぞれに表示されています。単純なネットポジションの推移からは、各通貨共に目立った残高の変化は有りませんでした。

強いて言うなら、ポンドの買い越しが微妙に増えており、ポンドに対する強気の見方が増えています。
また、豪ドルの売り越しが徐々に増加傾向にあり、こちらは弱気の見方が優勢であることが判ります。

この比較で他に重要なことは、各通貨全体の残高や、ブルとベアの比率です。
円のネットの売り越し残高は飛び抜けて大きいですが、全体の残高の10%程度ならまだ健全な範囲です。ただ、実態はご覧の通り、1対9程度まで偏りが進んでおり、これこそが調整への警戒感を引き起こしています。

一方、カナダと豪ドルの売り越し残高は概ね同数ですが、2通貨全体の残高が異なるため、そのブルベア比は、御覧の程度の違いになっており、明らかに豪ドルの方が弱気になっていることが判ります。

このように、ネット残高がある程度積み上がってくると、そのブルベア比は次第に重要になってきますので、今後はこうした点にも注意の上、取り組まれると良いでしょう。

以上、今回は動画も2部に分けてお送りしています。前編の動画は下記画像をクリックしてご覧いただけます。


※クリックすると、ForexTVジャパンのIMMチャンネルにジャンプします。


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