
スポット取引では、取引通貨1単位が、各国さまざまな通貨単位による売値と買値の両方で表示されるのが通常である。この場合の売値をオファー、またはアスクといい、買値をビッドという。
為替取引の場合は、このように売値と買値が同時に提示されることが望ましく、通常はそのように提示されるものであるが、売値・買値が同時に提示されている価格をツー・ウエイ・プライス(2-way price)という。外国為替取引で一口に「取引価格」という場合、こうしたツー・ウエイ・プライスを指すか、最後(直近)に取引された1本値を指すが、後者を意図する場合は特に「ラスト・プライス」と言って区別する。
取引価格はそれらを引き受ける側の立場に立って提示されるので、取引希望者が取引通貨を買いたい場合は売値(オファー/アスク)を買い、売りたい場合は買値(ビッド)を売る。提示価格の後ろに外国為替を売買している空港の両替窓口を思い浮かべればイメージがつきやすい。
一般的な商業行為では、値札のある商品は常にお店の売り価格で、商品を購入したければ売り価格で買うことであるのは理解しやすい。商品を外貨に置き換えればOKだが、売り価格をイメージするにはリサイクルショップにモノ(外貨)を売る場合を想定してはどうだろう。
こぼれ話
売値のことをアスク(ASK)という理由について・・・その昔、外貨準備が乏しい国が為替取引を必要とする場合は、買い取引が大半であったため、「今いくらですか?」といえば売り渡し価格を言えば大抵は事足りたことから、由来しているという説が一般的。まだイギリスポンドが世界の基軸通貨であった時代のことだ。
【外為大学 外国為替相場用語 あ行か行は行-A,O,B】